
課題
- 700社以上のパートナー企業とのやり取りや情報管理が現場に過大な業務負担を生んでいた。
- 非効率な業務フローにより、本来注力すべきパートナー企業への事業支援サポートが限定的となっていた。
導入理由
- 営業推進部の新設に伴い、主戦力であるパートナーチャネルの拡大が重要な経営戦略となっていた。
- 「パートナー育成と管理工数の削減」をワンプラットフォームで実現できる点が大きな決め手となった。
- 業務効率化に加え、パートナー企業への強固な事業支援体制を構築できると確信した。
導入効果
- 特商法・電気事業法関連の勉強会や問い合わせ対応、見積もり依頼など、ワンプラットフォーム化で効率化。
- 削減した工数をパートナー企業の事業支援や伴走、新規開拓に充てられる。
- 販売データや活動ログを相互に把握し、パートナーと二人三脚で持続的に成長できる関係を構築。
電力小売事業において、Looopは早くからデジタルマーケティングとパートナーチャネルを両輪として事業を推進してきました。700社を超えるパートナーを抱える同社が大切にしているのは、「パートナー様と二人三脚で、長期的に価値を届けていくこと」だと、営業推進部の橋本様は語ります。本記事では、その実現に向けて導入された「PartnerProp」の背景や導入後の期待効果について、お話を伺いました。
パートナーと共に成長してきたLooop社のこれまで
ーまず、Looop社の事業内容とパートナー施策の位置付けについて教えていただけますか。
橋本:私たちLooopは、再生可能エネルギーにおける発電事業や電力小売を展開しており、革新的な電気料金プランを通じて持続可能な社会の実現を目指しています。特に市場連動型の料金プランは、電気を賢く使うことで電気代の削減や再生可能エネルギーの有効活用につながるユニークな仕組みが大きな強みです。
そして、お蔭様で現在、約700社ある電力小売事業者の中でも低圧部門において13位というポジションを確立することができています。これは「デジタルマーケティングとパートナーチャネルを両輪とする戦略」の成果だと考えています。実際に、パートナー経由の販売は私たちの成長を支える非常に重要な柱となっています。
このように初期からパートナー戦略を重視してきた理由は、電力業界には強力なブランド認知を持つ大手競合が多く存在し、マーケティング施策だけで戦うのは難しいからです。だからこそ、創業当初から「パートナー企業と協業し、顧客獲得の基盤を作り、シナジーを生み出していく」という考えを大切にしてきました。
ー700社という数字は本当に大きいですね。一見すると順風満帆に拡大されてきたように思えるのですが、その過程でご苦労された点はありますか。
橋本:とにかくパートナーの数を増やすことに注力していた時期がありまして、その結果、契約数は一時期1,300社を超える水準まで増えました。ただ、本来であればパートナー契約後にしっかりと伴走し、事業支援を行うべきところ、数が膨れ上がったことで現場の工数がひっ迫し、本来のポテンシャルを最大限いかすことができなくなっていました。特に電力業界は、特商法などに加え電気事業法の遵守をパートナー企業と一緒に徹底する必要があり、法令面における確認やパートナー企業への共有だけでも一定の負荷がかかります。加えて、制度改定に伴う告知や電力見積もりの作成・共有といった実務的なやり取りも多く、どうしてもコミュニケーションが増えやすい業界かと思います。そのため思い切ってパートナー契約を整理し、700社程度まで絞り込むという判断を下しました。これは大きな決断でしたが、「数から質へ」と戦略を切り替える重要な転機になったと思っています。

Looop社が目指す、差別化が難しい電力業界だからこそのパートナー戦略
―パートナーの数よりも質が重要なのですね。営業推進部の新設も「質」の向上に関係があるのですか?
橋本:まさにその通りです。営業推進部を立ち上げた背景には、「データドリブンで、より戦略的に長期的な協業が見込めるパートナーの発掘」という目的がありました。
これまでの課題として、代理店の契約数が増えすぎて対応が回らなくなった結果、本来であればしっかり支援できていれば販売につながっていたはずのパートナー様を活かしきれなかったという反省があります。さらに、販売いただいたパートナー様の成果が思うように出なかった場合、何がボトルネックだったのかを把握するためのデータが不足しており、改善に活かせない状態となっていました。
だからこそ、営業推進部の立ち上げによって「データに基づく支援」を実現しようとしています。組織体制を改革し、情報連携の仕組みを整えることで、単なる業務効率化にとどまらず、パートナー企業の販売力を高め、共に事業を成長させることを目指しています。
―理想とされている「組織体制」と「パートナーとの情報連携の仕組み」とは、具体的にどのようなイメージなのでしょうか。
橋本:これまでの体制では、営業担当1人がパートナー契約から勉強会、交渉、問い合わせ対応まで、すべてを担っていました。契約数が増えるにつれて対応が増加し、パートナーに十分に向き合えないという状況に陥っていました。そこで今後は、交渉ごとは営業がメインで担い、勉強会や問い合わせ対応などの業務は分業化する体制に切り替えたいと考えています。営業が本来注力すべき交渉やパートナー支援に専念できるようにすることで、パートナー企業の販売力を着実に高めていきたいと思っています。
さらにLooopでは、パートナー企業と販売計画を一緒に考え、その販売計画の達成に向けて伴走する方針を掲げています。そのためには、日々のコミュニケーションを効率化しつつ、密な情報連携を実現することが不可欠です。しかし現状では、問い合わせ対応が複数のプラットフォームに分散されているため、営業担当がそれを日々一件ずつ拾いにいき、その対応に追われている状況です。
結果として、営業担当は本来であればパートナーと共に販売計画を考え、販売を後押しするための活動に時間を割くべきところを、ほとんどが管理業務や情報伝達に費やしていました。こうした課題を抜本的に解決するために必要だったのが「ワンプラットフォームの仕組み」でした。パートナーと情報を双方向で効率的にやり取りし、データとして蓄積・活用できる環境を整えなければ、真に質の高い支援はできない。その答えとして出会ったのがパートナープロップ(PRMツール)です。我々が抱えていた課題を一つひとつ解消できる機能が揃っており、「これだ」と確信し導入に至りました。

「パートナー育成と管理工数の削減」この先にトップラインを伸ばせる仕組みが作れるーパートナープロップ導入を決めた理由
―ありがとうございます。PartnerProp(PRMツール)をご導入いただいた理由についてお伺いしてもよろしいでしょうか。
橋本:まず、最大の決め手は「パートナー育成と管理工数の削減」をワンプラットフォームで実現できる点です。これまでの運用では手作業が非常に多く、例えば特商法の勉強会もパートナー企業を実際に訪問して行い、参加者リストを受け取り、受講履歴を確認するという流れでした。
小売事業者として、特商法や電気事業法の厳守は最低限果たすべき責任です。その中でPartnerPropを活用すると、eラーニングでオンライン実施が可能になり、受講ログも自動で取得できます。
さらに、問い合わせをPRM上に集約できる点や、パートナー担当者ごとにアカウントを付与して、ポータル機能で提案書をスムーズに共有できる点も非常に魅力的でした。
こうした仕組みを整えることで、Looop社としては単に工数を削減できるだけでなく、その分パートナー企業としっかり向き合う時間を確保できます。結果として、各パートナーの販売計画に深くコミットし、共に成長していける体制を築けると考えています。
―学習管理システム(LMS)やSFAなど様々なツールがある中でPartnerProp(PRMツール)を選択されたのは、どのような背景だったのでしょうか?
橋本: 実は以前SFAをトライアル的に導入していたことがあります。そんな中でPartnerPropを選択した理由は、やはり「パートナー育成と管理工数の削減」をワンプラットフォームで実現できること、そしてその先にパートナーのトップラインを伸ばせる仕組みが備わっていることでした。SFAはどうしても自社のパイプライン管理に特化しているため、パートナーと共同で利用するには難易度が高い側面があります。その点、PartnerPropはパートナーと一緒に利用できる設計になっている点が大きな違いでした。
弊社の場合、PRMはビジネスモデル的にも、パートナーへの関わり方という意味でも非常に相性が良いサービスだと感じています。まだ構想段階ではありますが、将来的にはパートナーごとの販売電力量と販売件数を掛け合わせたランク制度をPRMと連携させ、パートナーの事業インパクトをさらに大きくする仕組みも検討しています。また、サービスプランの魅力や売りやすさを追求し、情報連携を一層進化させていきたいと考えています。

PRMで実現する、Looopが描く理想のパートナー共創像
ー今後の展望、PRMによって実現したい将来像をお聞きしてもよろしいでしょうか。
橋本:私たちのパートナー企業様は、電力だけを専業で販売しているケースは少なく、他の商材やサービスを扱っていることがほとんどです。ですので、Looopの売り方を一方的に押し付けるのではなく、各パートナーが持つ商材とのシナジーを生み出せる営業プロセスを作ることを意識しています。
また、パートナーによって得意なエリアや顧客層も異なるため、その特性に合わせた販売戦略を一緒に考えることが重要だと思っています。各パートナーの活動の結果をデータドリブンで相互に理解することで、次に打つべき戦略の質が大きく変わります。
Looopとパートナーが同じデータを見ながら、同じ認識で「どうすればより成功体験につながるか」を議論できる状態を目指しています。
現状では、こうしたデータはLooop社内には蓄積されているものの、パートナーに共有する仕組みがなく、限定的な活用にとどまっています。だからこそ、PRMを活用してデータと情報を一元的に共有し、パートナーと同じ目線で戦略を描ける基盤を整えていきたいと考えています。
ー本日はありがとうございました。




