課題

  • 200種類を超える標準ジグやソフトウェアを含む複雑な製品ラインナップを、海外代理店が理解・提案する難易度が高かった
  • 製品選定や修理方法の相談がテキスト中心で分かりづらく、内容によっては2週間~1か月ほどやり取りが続くこともあった
  • 修理動画や営業資料など、代理店向けに共有したい情報を、セキュアかつ権限管理された状態で届ける仕組みがなかった

導入理由

  • 修理方法や製品情報など、一般公開できない代理店向け情報をセキュアに共有できるポータルとして魅力を感じた
  • ファイル単位で必要な人だけが必要な情報にアクセスできる権限管理が可能であった多品種メーカーとして、代理店が自ら情報を探し、顧客対応や修理対応を進められる状態を作ることが可能だった

導入効果

  • PartnerProp上に修理動画を掲載するなどの施策により、お客様への修理対応の納期が大幅に削減
  • 代理店が自発的にポータルへアクセスし、必要な情報を探して活用する状態が生まれた
  • 誰がどの資料を見たのかが可視化され、代理店への情報提供やコンテンツ改善に活かせるようになった

1947年の創業以来、荷重測定器の製造・販売を手がけてきた株式会社イマダ。現在では、製品を世界各地に展開し、海外の主要地域に100社を超える代理店ネットワークを広げています。

同社の製品は、フォースゲージ単体にとどまらず、計測スタンド、アタッチメント、ソフトウェアなどを組み合わせて活用でき、標準ジグだけでも約200種類、周辺機器やソフトウェアを含めると、ラインナップは400種類を超えています。

そのため、海外代理店が製品体系を理解し、顧客の測定課題に応じて最適な提案を行うには、熟度の高い製品理解が求められていました。

本記事では、PartnerPropの導入によって、修理対応のやり取りや代理店向け情報共有がどのように変化したのか、営業企画グループで海外代理店管理やデジタルマーケティングを担う野本様にお話を伺いました。


300種類超の製品を、世界各地の代理店が提案する難しさに悩み

参照:https://www.forcegauge.net/

ーまず、イマダ様の事業内容と海外代理店施策について教えていただけますか。

野本:私たちイマダは、1947年の創業以来、フォースゲージをはじめとする荷重測定器の製造・販売を行ってきたメーカーです。戦後まもない時期に、お客様から「ばね式の荷重測定器を作れないか」と相談を受けたことが、事業の始まりでした。

もともとはフォースゲージのメーカーという位置づけでしたが、現在は「荷重測定をいかに実現するか」という領域に事業を広げています。フォースゲージ本体だけでなく、計測スタンドやアタッチメント、ソフトウェアなども含めて、お客様の測定ニーズに合わせた提案を行っています。

そもそもフォースゲージとは、押したり引っ張ったりする力を数値化する測定器です。フォースゲージは非常に汎用性が高く、取り付ける治具によって、圧縮・引張・剥離・摩擦など様々な力を測定できるようになります。圧縮一つとっても、突き刺し、耐圧、折り曲げなど様々な種類があります。

そのため、特に治具の種類が非常に多く、標準治具だけでも約200種類あります。フォースゲージ以外の周辺機器も含めると、製品ラインナップは400種類を超えます。単に製品を売るというよりも、お客様の「何をどう測りたいのか」に応じて、製品を組み合わせながら提案していく必要があります。

海外展開については、1988年にアジア向けの輸出を開始し、1995年頃からアメリカやヨーロッパにも展開してきました。現在では、世界各地で製品を販売しています。

ー製品数が多いからこそ、代理店が製品を理解し、提案する難しさがありそうです。

野本:まさにそこが大きな課題でした。製品の組み合わせが多いので、代理店がすべてを理解するのは非常に難しいですね。

私自身、入社して15年以上になりますが、それでも新しい測定物について聞かれると、技術部門に相談しないと分からないことがあります。そのように考えると、海外代理店が自力で製品体系を理解し、顧客に最適な提案をするのは非常に難易度が高いと言わざるを得ません

理想としては、代理店が顧客から「こういう力を測りたい」と相談されたときに、自分たちで組み合わせを考え、「この組み合わせがいいのではないか」と提案できる状態です。あるいは、私たちに相談する場合でも、「この組み合わせでどうでしょうか」と仮説を持ってきてもらえる状態が望ましいと思っています。

ただ、実際には「選定してほしい」といわば丸投げの状態で相談されるケースもあります。代理店によって製品知識の習得状況には差があるため、そこをどう底上げしていくかが重要だと感じています。

製品相談から修理対応まで。テキストだけでは伝わらず、月単位のやり取りになることも

ーPRMの導入前は、そのような代理店からの問い合わせにどのように対応されていたのでしょうか。

野本:以前は、海外代理店や海外ユーザーからの問い合わせに対して、メールで対応していました。

問い合わせの内容は様々ですが、特に難しいのは「こういう力を測りたい」という相談です。代理店またはユーザーと測定のイメージをテキストですり合わせることは非常に難易度が高いです。

そのため、メールでのやり取りが数週間に長引いたり、海外から測定物を送ってもらい、実際に試験するなどして、提案まで1ヶ月以上かかってしまったりすることもありました。

ー製品選定の相談だけでもかなり時間がかかっていたのですね。購入後のサポートやメンテナンスについても、同じような問い合わせはあったのでしょうか。

野本:修理対応も大きな課題でした。海外の修理は現地の代理店で行ってもらっていますが、修理方法をテキストで説明しても、正確に伝えることは難しいです。

以前は、故障状態を聞いて、製造部門に確認し、「こうかもしれない」と返信していました。そのうえで、修理方法に関する資料がなければ、毎回毎回動画を作らなければなりません。

動画を一から作る場合、少なくとも2週間ほどかかりますし、内容によっては1か月ほど代理店をお待たせすることもありました。その間、代理店からは「早く修理方法を送ってほしい」と連絡が来るため、こちら側にも大きなプレッシャーがありました。

また、修理方法は動画で説明した方が圧倒的に伝わりやすいのですが、動画はファイルサイズが大きく、メールでは送れないことがあります。さらに、修理情報は誰にでも見せられるものではありません。社外秘の情報が含まれています。ですので、「修理担当者以外はむやみに見せたくない」という情報ばかりです。。以前は「担当者以外には見せないでください」と伝えながらメールで送る必要があり、セキュリティ面でも不安がありました。

決めては、権限管理が柔軟さとセキュアな代理店ポータル

ー製品選定や修理対応において、情報共有の難しさがあったのですね。そうした課題がある中で、PartnerPropをご導入いただいた理由を教えてください。

野本:一番の決め手は、代理店向けの情報をセキュアに共有できるポータルを構築できることでした。

メーカーとして、代理店に知っておいてほしい情報は多くあります。修理方法、営業資料、製品カタログ、アフターサービスのノウハウなどです。ただし、それらは一般公開できる情報ばかりではありません。

PartnerPropであれば、招待したユーザーだけに情報を共有できますし、ユーザーごとに細かく権限管理もできます。「必要な情報を担当者だけに見せる」という制御ができる点は非常に重要でした。

ー単に資料を置く場所ではなく、誰に何を見せるかを管理できる点が重要だったのですね。

野本:はい。メールで動画や資料を送る場合、容量制限もありますし、重要な情報をメールで送ること自体にもストレスがありました。

PartnerPropであれば、必要な人だけが必要な情報にアクセスできます。一般公開できない修理情報や営業資料を、権限管理された状態で共有できる点に価値を感じました。

1か月かかる修理対応が、代理店の自発的推進により即時対応可能に

ー実際にPartnerProp導入後、どのような変化を感じていますか。

野本:一番大きな変化は、修理方法の案内にかかっていたやり取りを大きく削減できたことです。

以前は、修理方法について問い合わせが来るたびに、故障状態を確認し、製造部門にも確認しながら、テキストで説明していました。動画がなければ、そこから作成する必要もありました。

今は、主要な製品について修理動画をPartnerProp上に掲載しています。代理店から「これはどうすればいいですか」と聞かれたときに、「この動画を見てください」と実際に案内できるようになりました。

動画を見た代理店が、自分たちで修理できる状態にできたのは大きな変化です。これまで1か月ほどお待たせしていたようなものを、動画を見てもらうことで即時で対応していただけるようになりました。

ー最初は修理動画を案内するところから始まったと思いますが、その後、代理店側の利用状況には変化がありましたか。

野本:そうですね。最初は「修理について聞かれたら、この動画を見てください」という案内から始まりました。ただ、今では代理店が自分たちでポータルにアクセスして、必要な情報を探してくれるようになっています。

また最近では、新しい担当者が加わった代理店から「この人もPartnerPropに招待してほしい」という依頼も来るようになりました。担当者が変わったから見られない、だから追加してほしいという相談があるということは、それだけポータルが実際に活用されているということだと思います。

ー海外代理店のアフターサービス能力にも変化はありましたか。

野本:国内では、販売後30年、40年経った製品でも修理対応をしています。長く使っていただくために、アフターサービスも含めて努力していることは、イマダの大事な価値だと思っています。

一方で、海外では修理やメンテナンス体制に差があります。修理に関しては、直接取引のある代理店にしか公開できない情報ばかりです。だからこそ、代理店自身に修理能力を高めてもらう必要がありました。

PartnerPropに修理動画を掲載することで、代理店が修理方法を確認し、自分たちで対応できるケースが増えてきました。今後は、修理だけでなく、調整やメンテナンスの方法についても動画化していきたいと考えています。 

誰がどの資料を見たのかがわかり、コンテンツ改善にも活かせるように

ー修理対応以外にも、導入後に効率化された部分や導入して良かったと感じている点はありますでしょうか。

野本:資料の活用状況が見えるようになったことは、非常に助かっています。

これまでは、資料をメールで送っても、その後どう使われているのか全くわかりませんでした。

PartnerPropでは、誰がどの資料を見たのかがわかります。そのため、たくさんの資料を見て勉強してくれている担当者が一目でわかります。担当者の頑張りが可視化されるのが良いと感じます。

また、実際の活用度や活動状況が見えるようになったことで、今後どのような資料を作るべきかを考えるうえでも参考になります。

ー代理店が何を見ているかがわかることで、次に作るべきコンテンツも判断しやすくなるのですね。

野本:そうですね。どの資料が見られているのか、逆にどの資料があまり見られていないのかがわかると、代理店が本当に必要としている情報を考えやすくなります。

商習慣や言語の違いが、海外代理店との情報共有をさらに難しくしていた

ー製品情報を正しく届けるという意味では、国や地域による商習慣、言語の違いも影響しそうです。そのあたりの難しさはありますか。

野本:あります。国や地域によって、商習慣や契約条件の捉え方が大きく異なります。

例えば、こちらが納期を確認していない段階で、顧客に約束してしまうこともありますし、ほかにももろもろと…。

日本側の常識だけで考えると、「これはダメ」「あれはダメ」と言いたくなることも多いです。ただ、それをすべて押しつけてしまうと、関係が崩れてしまいます。相手の文化も考えたうえで、こちらが主導権を持ちながら、関係を良好に保つ必要があります。

ー英語でのコミュニケーションにも難しさがありますか。

野本:同じ英単語でも、言い手と受け手で解釈が違うことがあります。こちらはこういう意図で書いたつもりでも、相手が別の意味で受け取っていることもあります。

最近は、AIを使って原文と解釈を確認することもあります。「この文章はこういう意味で受け取ったけれど、他にどんな解釈があるか」と確認しながら進めています。

それでも完璧ではありません。だからこそ、テキストだけに頼らず、動画や資料、ポータル上の情報などを組み合わせて、海外代理店が同じ情報を同じ場所で確認できる状態を作ることが重要だと思っています。

今後の展望:修理領域から営業提案領域へ。代理店が自走できるパートナー支援体制を目指す

ー修理対応や資料共有から活用が進んできた中で、今後はPartnerPropをどのように活用していきたいですか。

野本:今後は、営業担当向けのイネーブルメントコンテンツを増やしていく予定です。

修理動画は一定整備できてきたので、次は営業資料や提案ノウハウを体系化したいと考えています。「こういう課題にはこの製品」「この測定にはこの組み合わせ」といった情報を整理し、代理店が顧客に自信を持って提案できる状態を作りたいです。

また、良いコンテンツを作るためには、代理店やエンドユーザーが何に困っているのかを吸い上げる必要があります。今も問い合わせ機能を使って情報を送ってもらう取り組みはありますが、熱心に書いてくれる代理店がいる一方で、なかなか情報を出してくれない代理店もあります。

代理店が負担なく情報を共有できる仕組みづくりも、今後のテーマだと感じています。

ー情報を置くだけでなく、代理店や社内メンバーが迷わず必要な情報にたどり着ける仕組みも重要になりそうです。ー最後に、同じように多品種の製品を扱うメーカー企業に向けてメッセージをお願いします。

野本:メーカーとして、代理店に知っておいてほしい情報は本当にたくさんあります。修理方法、アフターサービスの工夫、営業のコツ、製品の組み合わせなど、簡単に外には出せないけれど代理店には共有したい情報が必ずあります。

そうした情報を、限られた人に安全に届けられる仕組みは、メーカーにとって非常に価値があると思います。

特に、多品種メーカーや複雑な製品を扱うメーカーほど、代理店教育の難易度は高くなります。だからこそ、代理店に情報を届けるだけでなく、現場で使える形に整理しておくことが重要です。

PartnerPropのような仕組みを活用することで、代理店が必要な情報を確認し、顧客対応に活かせる状態を作れると思います。

ー本日はありがとうございました。