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「パートナー企業と向き合い、共に成長する」 PeopleX橘氏が語る、橘流パートナービジネスの実態に迫る

弁護士ドットコム取締役 元「クラウドサイン」事業責任者の橘大地氏が創業した、エンタープライズ向けHR事業を手がける株式会社PeopleX。

“社員を成功させることで、企業を成長に導く”というミッションのもと、エンプロイーサクセスを起点に、新たな時代に適応したHRプロダクトを提供し、シードラウンドで16億円の調達に成功した People X が、創業期から力を注ぐパートナービジネス。橘氏の経験により作り上げられた「徹底的にパートナー企業と向き合う」、橘流パートナービジネスの全貌を明らかにする。

株式会社PeopleX 代表取締役 CEO 橘 大地

東京大学法科大学院卒業。弁護士資格取得後、株式会社サイバーエージェント、GVA法律事務所にて弁護士として企業法務活動に従事。2015年、弁護士ドットコム株式会社に入社、クラウド契約サービス「クラウドサイン」の事業責任者に就任。2018年4月より同社執行役員、2019年6月より取締役に就任。2023年より株式会社PeopleXを創業し、エンプロイーサクセスプラットフォーム「PeopleWork」の開発、運営を行う。

「3年で売上100億円」を実現するためのパートナービジネス

― パートナービジネスに力を入れる背景を教えてください

まず、前提としてSaaSの商流の70%はパートナービジネスなので、我々が目指している3年で売上100億円の半分くらいをパートナービジネスで実現したいと考えております。

その為には、パートナービジネスを前提とした事業成長をする必要があると考えています。

戦略として、直販ではエンタープライズ企業のロゴは獲得し、営業ノウハウや導入事例を溜める、それをパートナー企業に展開して中小・中堅企業をパートナービジネスで獲得する。このようなイメージを描いているのでパートナービジネスに力を入れています。

創業期こそパートナービジネスを始めるべき

創業期からパートナービジネスに力を入れる理由について教えてください?

後々から、パートナーセールスを開始するとかなり難易度が上がると思います。

そもそも、直販とパートナービジネスではビジネスの作り方が大きく変わり、直販前提で事業成長をした後にパートナービジネスを立ち上げようとすると、新規事業を立ち上げる様な感覚になり、大きな絵を描くことがとても難しい。

あとは、パートナービジネスで重要なのが信頼関係の構築なので、早く始めた方が良いと思っています。

よく勘違いされやすいのですが「大手のディストリビュータ・販売店と契約したから、何かすごいことが起きるのではないか」と皆さん思うのですが、そんなことは無く、パートナービジネスは長期的な信頼関係の連続だと感じます。

― 「直販とパートナービジネスでは事業の作り方が違う」これについて、詳しくお伺いできますか?

パートナービジネスでは、パートナー企業のビジネスポイントを設計し、一緒に成長するための戦略を描く必要があると考えています。例えば、Salesforce製品の支援を事業内容として上場している企業が複数あるように、パートナー企業と共存しエコシステムを作って、共に上場を目指せる様な、それくらいしっかりとビジネスになる商材を作る必要があります。

よく顧客に向き合って、そのフィードバックをもとに成長してくというのは皆さんやられる通り、パートナー企業も相当自社のビジネスに向き合ってくださるので、そのフィードバックにちゃんと向き合いビジネスを作っていくことが重要です。

弊社の場合だと、入社だけでなく異動・昇格時も含めた社員のあらゆるオンボーディングを支援し「即戦力化」を実現する「People Work」というアプリケーションがあり、パートナー企業に販売いただいております。その際に「People Work」とパートナー企業独自の「オンボーディング設計支援」を合わせて受注いただくことで、People Workの販売手数料だけではなく、本業のオンボーディングコンサルでも利益を生み出すことがでる。このように、しっかりとパートナー企業の儲けどころを設計することは非常に重要だと思っています。

あと、これは前職の経験を踏まえてなのですが、直販前提で組織を作ってしまうと直販とパートナーのアプローチリストのバッティング整備など、営業体制の再構築もかなり大変になりますので、パートナービジネスは早めに開始した方が良いと思います。

商流を俯瞰して、自社に合ったパートナーを見つけ出す

パートナービジネスの第一ステップとして何をするべきでしょうか?

そうですね。最初はやはり創業期から直販チャネルのみでいくのか、パートナーチャネルも使うのか、という自社の方向性の見極めがとてつもなく重要だと思っているので、まずはマーケットフィットの商流を考えようというのがスタートです。

自分がよくやっているのは、日本全体のITサービスの流通網を俯瞰的に見ることです。

例えば、情シス系の商材だと約9割がパートナーチャネルですし、セールス系の商材だと約9割が直販チャネルなどの特徴があると感じます。扱う商材によって、直販・パートナーのどちらが向いているかの特徴を理解するために商品の商流を日本を俯瞰して調べます。

自分の市場のことを一番理解した後に、パートナー探しをするという順序だと思います。

これらを踏まえて、大きく分けて3つある商流である、Sierさん、銀行さん、IT商社さんの中で相性の良いパートナーさんを選定していく形になると思います。

エンタープライズ企業さんの機関に入り込んで、業務フロー設計やAPI連携するためには必ずSierさんと業務フローを描かないといけませんし、地方も含めたビジネスマッチングの場合は地方銀行さんやIT商社さんです。いわゆる、大塚商会様やリコー様などですね。

少数精鋭で徹底的に向き合う

― 他社では聞いたことが無いのですが、パートナー企業の募集方法として一期生・二期生のような形式を取られている背景を教えてください

まず前提として、PeopleXでは少数精鋭でパートナービジネスをやりたいと考えています。

良く聞く話だと思うのですが、パートナー企業の稼働率が二極化して、アクティブに動くのは10%以下になってしまうケースは多いと思います。前職のクラウドサインでも200社以上のパートナーさんがいらっしゃいましたが、やはり二極化は発生していました。

そうなってしまうと、お互いに費やした時間が無駄になり不幸になってしまうので、今回はクローズドで少数精鋭でパートナービジネスをやろうと決めていました。

そのために、我々と相性が良い業種で且つコミットしてもらえるパートナー企業と組む必要があったのです。そこで、第一期という形で募集をさせていただき、先方のCEOにどのくらい事業単位で取り組んでいただけるのかをプレゼンしていただき、審査させていただきました。その結果、まずは3社の企業様とパートナー契約を結びました。

方針として、今後も変わらないと思うのですが、パートナービジネスは、あまり手広くやらずに、本当に向き合える数のパートナー企業と長期的な関係性を作っていくことを最優先に考えています。

― パートナー企業3社に対しての向き合い方について教えてください

はい。まず、パートナービジネスについてはお互いCEO同士で進めています。

定例の打ち合わせも必ずお互いのCEOが参加し、新機能リリースなどの情報については、公開の数ヶ月前に告知して、それを前提としたプランニングをしていきます。

パートナー企業も本業があるので、中途半端にパートナービジネスをやるくらいなら、本業に専念するべきだと思うので、継続的にCEO同士の接点を持ちその中で信頼関係を作っていくという方針でやっています。あとは、クローズドのパーティー開催や、パートナー企業からのトスアップ商談は私が必ず営業として参加しています。

件数が増えて拡大した場合は、受注できる社内のトップ営業担当と、企画担当者に分けて、スケールアップしていくという形になるかなと思いますが、当分は譲る気が無く、とことん成功に絶対に導くというのが今回やっていることですね。

パートナープログラムについて

― 可能な範囲でパートナープログラムの詳細についてお伺いできますか

はい。まず弊社でこだわっているのが、パートナー企業に自社製品を使い続けてもらい、PeopleXの商品価値を感じていただくことです。

自社で日々利用していない製品を販売することはかなり難しい。ですから、パートナー企業様には全社導入で製品をご利用いただき、毎日営業の方に使い倒していただくことで浸透すると思っています。そのためにも、まず全力でカスタマーとしてオンボーディングをし、自社導入を全力で支援するということに専念しています。

また弊社では、パートナーランク制度も取り入れており、Platinam、Gold、Silverという3つのランクを設定しており、商談創出件数に応じてランクアップする仕組みになっています。

当然ですが、ランクアップするほどインセンティブも大きくなります。

インセンティブ比率の詳細は開示することができませんが、弊社はかなり大盤振る舞いだと思います。弊社製品のインセンティブの他に、パートナー企業独自のオンボーディングコンサルを受注できるので、かなり経済的なメリットは大きいと思います。

PeopleXが掲げるパートナー戦略のこれから

― 3年後、5年後に向けたパートナー戦略を教えてください

そうですね。先ほどもお伝えした通り、弊社は「3年で売上100億円」を目指しており、その半分をパートナービジネスで作りたいと思っています。

橘流のパートナービジネスでいくと、リセラー戦略と合弁会社戦略の2つの軸で考えています。合弁会社は資本提携も含めたアライアンス戦略です。これを3年で複数社立ち上げるほどのスピード感でやっていきたいと思っております。これは開示されているのですが、クラウドサインと三井住友フィナンシャルグループとの合弁会社で行われている「SMBCクラウドサイン」の様なイメージです。

もう一つのリセラー戦略については今後も審査制でクローズで実施し、あまり増やし過ぎずに、定期的に向き合える社数で行いたいです。年間で10社ほど増やしていくようなペースをイメージしています。代表同士に関係性がありメッセージ1本でコミュニケーションが取れるパートナー企業と長く付き合っていくという方針です。

― 「PeopleWork」認定パートナー3期生の募集について伺わせてください。

現在、People Work認定パートナー3期生の募集をしております。

我々は「エンプロイーサクセス」という社員に投資することによって業績を上げていくという、社員への投資エンプロイを大切にする文化、これを本気で実現したいと思っています。そこに対して、熱量が高いパートナー企業様や、担当者の方と一緒にビジネスを作り上げたいと思っているので、共感してくれる方は是非ご応募ください。

People Work関連売り上げ数億円のビジネスを一緒に作っていくことに私もコミットいたします。

第3期認定パートナープログラムについてのご案内を希望する企業様は、以下にお問い合わせください。

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株式会社PeopleX
PeopleWork事業本部 パートナープログラム事務局

MAIL:contact@peoplex.jp

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