新規受注の30%を<br>パートナービジネス経由!<br> ーヤプリが語るー<br>”パートナービジネス”の重要性│PartnerLab|パートナーラボ

新規受注の30%を
パートナービジネス経由!
ーヤプリが語るー
”パートナービジネス”の重要性

業界
SaaS
株式会社ヤプリ
湯浅 昭吾氏

概要

取材対象者: 株式会社ヤプリ 湯浅 昭吾氏
2003年「ソフトバンクBB株式会社」(現SB C&S株式会社)に入社し、法人営業とプロダクト販売推進、新規事業の立ち上げに従事。2017年に他業界にて営業企画を経験後2018年にECベンダーに入社しテック業界に復帰。2019年6月より「株式会社ヤプリ」に入社しパートナーアライアンスおよびポストセールスの拡大ミッションを担う。
今回湯浅氏にパートナービジネスの重要性についてお話をお聞きしました。

目次

パートナー経由で新規売上約30%:少数精鋭4名で実現するチャネル戦略


ーまずは貴社のサービスについて簡単にご紹介いただけますでしょうか。


一言でいえば、スマホアプリの「開発」と「運用」を一気通貫で支援するプラットフォームです。開発フェーズではノーコードでスピーディに構築できる点が特長で、受託開発に近い自由度を持ちながら、売りやすさも担保しています。運用フェーズに入ればSaaS型CMSとして、クライアントが自らアプリを更新・改善できる仕組みを提供していますので、パートナー様にとっても手離れがよいサービスと言えると考えています。

ーありがとうございます。貴社のサービスはどのようなチャネルで販売をしているのでしょうか。


全体の約7割は直販での新規受注になっており、いわゆるザ・モデル型の仕組みを採用しております。残りの25〜30%はパートナー経由です。私自身、ザ・モデル型の仕組みにはいずれ伸び悩む時期がきてしまうのではと予想もしており、パートナー経由の受注基盤をより強くしていきたいと考えています。

ーありがとうございます。貴社の規模で全体の新規受注の約30%をパートナーからというのは大変大きい数字だと思いますが、貴社のパートナー担当者は何人くらいになるのでしょうか。

現在の担当者数は4人です。全体の実績から見ても、4人でこの実績を作れる点はパートナーの強みであると思います。少数精鋭で大きな事業インパクトを生み出すことができます。

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“直販だけ”の成長限界と課題――パートナー早期着手が成果の分岐点


ー先ほど、ザ・モデル型直販の課題について触れられていたと思いますが、具体的な課題についてお伺いしてもよろしいでしょうか。

課題は大きく2つですね。

1つ目がリード不足です。入社当初はザ・モデル型で直販を推進し、展示会に出展してリードを獲得する動きをしておりました。しかし日々のリード獲得活動を進める中で、ザ・モデル型の直販にはリード数、商談数の観点からいずれ限界が来るのではと感じていました。

さらに、展示会に関しては、コロナ禍で開催自体がなくなったこともあり、マーケティング活動もオンライン施策に舵を切るなど対応を余儀なくされました。

2つ目はリードの幅が限られてしまう、広げるためには相応のコストが発生する、という点です。

Yappliは一つのプラットフォームをベースにしながら、多種多様なアプリを開発・運用することが可能で、導入業界やアプリの用途も多岐に渡ります。

ターゲットを広げ、営業展開していく上で直接のリードだけではない営業アプローチの必要性を感じていました。

直販の課題がさらに大きくなる前に、パートナービジネスに着手することを決めました。この時期は、ヤプリが30%成長をしている時期になります。当時のセールス本部長と私がそれぞれの前職の経験から、直販とパートナービジネスを両軸を回す意識があり、直販の課題が顕在化し切る前にパートナービジネスに着手しました。

直販が伸びている“今”こそ始める――パートナービジネスの早期着手


ーなるほど。実際に貴社ではいつ頃から、パートナービジネスに取り組み始めたのでしょうか。

私が入社した2019年の6月にパートナービジネスを開始しました。私が入社する前に会社の会議でパートナーに取り組む方向性が決まっていたようです。私自身も新卒から約14年間SB C&S社で、パートナービジネスの経験がありましたので、入社後に力を入れたという流れになります。


パートナービジネスを始めた当時は直販がまだ伸び盛りで、直販の課題は顕在化しきっていませんでした。ただ、展示会やインサイドセールスだけでは会社が目指す成長が達成できない危機感もあり、、先手を打つ形でパートナービジネスに力を入れる方向性になりました。

パートナービジネスで成果を出すためには、一定時間や工数がかかります。取り組みを後回しにすれば、成果も遅れていくことは事実としてあります。その点でも、直販の成果が鈍化する時期ではなく、早めの段階からパートナービジネスに取り組むことが非常に重要なポイントだと考えています。。

ーなるほど。ありがとうございます。

パートナービジネスの重要性――未到達層へのリーチと高い費用対効果


ー新規受注全体の約30%という話も踏まえて、改めてパートナービジネスに取り組む意義、重要性についてお伺いしてもよろしいでしょうか。

大きく分けて2つあると思います。1つ目が 直販のマーケティングやインサイドセールス(IS)では届かない顧客層に、パートナー経由でリーチできる点だと思います。広告やISで時間と工数をかけても接点を持てない企業と出会えるのは、パートナーならではの強み、重要性です。

2つ目は、費用対効果の面でも優れている点です。もちろんコストがかからないとまでは言えませんが、少ない投資で小さく始め、検証できる点は大きな魅力です。スタートアップ企業やベンチャー企業にとっても、パートナービジネスは試す価値のある成長手段だと思いますし、私自身は早期に始めるべきだと思います。

ーコストが小さく済むという点で貴社ではパートナー担当者が現在4人と仰っていましたがパートナーセールスの組織体制について詳しくお聞きしてもよろしいでしょうか。


立ち上げ当初は私ともう1人の2人で行っておりました。途中私1人で業務をすることもあり、パートナーへの勉強会や資料の作成、パートナーへのサポートを全てを1人で行うこともありました。

現在は4名体制でパートナービジネスの運営を行っています。やはり、全体を見渡し、パートナービジネスの重要性を語れる専門チームが存在することが、未開拓リードの獲得につながると思いますね。
最初は社内の理解を得るのに苦労しましたが、成果が数字として出てきたことで少しずつ社内でも評価されるようになり、パートナー担当者も増やせる土壌が出来上がってきたかと思います。

ーありがとうございます。小さく始めて、大きな事業インパクトを出して来られたんですね。

パートナーに“自発的に売ってもらう”方法:売りやすい環境構築と1件目の早期受注


ー実際にパートナービジネスを推進をする中での課題をお聞きしてもよろしいでしょうか。


まず、パートナービジネスの立ち上げ当初は、パートナーの区分けに苦労しました。実際に「紹介」「リセラー」「構築」という3つのパートナー区分を用意しました。パートナーに対し、大規模セミナーを開催し、それぞれのパートナーがどのような役割を担うのか説明しました。

しかし、実際に進めてみると、構築パートナーは商材特性に合わず半年で撤退という形になりました。その経験から、紹介とリセラーに絞り込み、営業のクロージングは弊社が担う、もしくは営業の同行を行うスタイルに切り替えました。紹介とリセラーに絞り込んだ結果、弊社としてもパートナーを見つけやすくなりましたし、パートナーとしても問い合わせがしやすくなったと思います。

ーありがとうございます。実際にパートナーと契約を結んだ後の課題についてもお聞きしてよろしいでしょうか。

やはり、パートナーと契約を結んだが、自発的に売っていただけない状態が続きましたね。パートナーは弊社のサービスだけではなく、自社のサービス、他社のサービスを抱えています。その中で、パートナーが自発的に弊社のサービスを売る状態を作るのは非常に難しかったですし、大きな課題でした。

ーパートナーが自発的に売っていただけない中で、貴社ではどのような工夫をされたのでしょうか。


工夫した点は2つあります。1つ目はいかに「売りやすい」と感じてもらえるかが重要なポイントです。商流に関しても紹介とリセラーの2つだけにして、シンプルにしました。案件をトスアップしていただければ、弊社の営業がクロージングするスタイルにすることでパートナーが売りやすい環境作りを行いました。

2つ目は最初の受注の1件目をいかに早く創出できるかを重視している点です。1件目の受注が遅いと、パートナーの意識は減少してしまい、自発的に売っていただく状態には程遠くなってしまいます。しかし、1件目の受注が早期に出れば、営業チーム全員にこのサービスは売れるという意識が波及し、自発的に売る流れができます。実際に早く創出していただくために、勉強会で個社ごとにあった情報提供を行うことや、1つ目でも述べたように、自社の営業チームにトスアップする体制を整えました。

ーなるほど。ありがとうございます。

ヤプリの実践から学ぶ、パートナービジネスを推進させる3つのポイント


ー改めてになりますが、今からパートナービジネスを始める企業や今取り組んでいる企業に対して、アドバイスなどいただいてもよろしいでしょうか。


弊社の失敗や経験から3つお話しさせていただければと思います。

1つ目は理想の区分から始めないことです。冒頭でも申し上げましたが、弊社はパートナービジネス立ち上げ当初、構築パートナーがありました。しかし、商材適性が合いませんでした。商材適性と売りやすさを基準に区分を選ぶことは非常に大事なポイントだと思います。

2点目は、パートナーと契約後に最初の1件をできるだけ早く創出する意識を持つことです。パートナー企業が早期に成果を上げ、成功体験を得られるよう支援することで、その効果は社内外に波及していきます。逆に、売れない商材・サービスというイメージがついてしまうと、パートナー企業は取り扱いを敬遠するようになってしまいます。

3つ目は企画立てをしっかり行うことです。いわゆるパートナープログラムをある程度先に固めるということです。弊社のように売っているサービスが難しい場合、誰に、何を、いくらで、いわゆるGo-to-Marketの骨子を言語化することが非常に重要だと思います。

これらがパートナービジネス成功の土台になると考えています。

ーありがとうございます。

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今後の展望:全体売り上げの50%をパートナービジネスから生み出す


ー最後に貴社の今後の展望についてお聞きしてもよろしいでしょうか。


個人的には、売上の50%をパートナー経由にすることを目指しています。そのために、セールスパートナーだけでなく、プラットフォーム提供企業としてふさわしい多様な協業の仕組みを整えていきたいと思っております。

現在はパートナープログラムの刷新を進めていますが、これはパートナー企業にとって弊社と協業しやすいとさらに感じてもらうための施策です。

この先、弊社のパートナービジネスで重要になる点は「組みにくい会社」ではなく、「誰とでも共創できる会社」だと思っていただけることです。パートナープログラムの刷新も、そのための大切なステップだと考えています。

パートナービジネスをさらに加速させ、弊社とパートナーが共創してお互いの事業が成長できる未来を作りたいと考えています。

ー本日はありがとうございました。

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