ーEight Teamが挑むー<br>親和性とターゲットの近さで<br>見極めるパートナー開拓│PartnerLab|パートナーラボ

ーEight Teamが挑むー
親和性とターゲットの近さで
見極めるパートナー開拓

業界
IT/SaaS
Sansan株式会社 Eight事業部
安齋安美 氏 | 徳沢夏海 氏

概要

Eight事業部 ビジネス推進部 副部長 Eight Team 責任者 安齋 安美 氏
千葉大学卒業後、人材業界・Web制作会社で営業/マーケティングを経験。2017年にSansan株式会社へ入社。中小企業向け名刺管理サービス「Eight Team」の立ち上げ期からCSを牽引し、現在はサービス全体の顧客体験の向上と事業成長の仕組みづくりに取り組んでいる。「営業DXは名刺から!」を掲げ、名刺を起点にした“つながり資産”活用を推進している。

Eight Team Growth グループ マネジャー 徳沢 夏海 氏
上智大学卒業後、2020年4月にSansan株式会社へ新卒入社。Eight Teamのインサイドセールスとしてキャリアをスタートし、これまで500社以上の中小企業のDXを支援してきた。現在はマーケティング・セールス・パートナーセールスを統括し、より多くの企業がDXの一歩を踏み出せるよう、組織とサービスの両面から事業成長を牽引している。

目次

「出会いからイノベーションを生み出す」というミッションの下、2017年10月にリリースされた中小企業向け名刺管理サービス「Eight Team」。今回はEight事業部 ビジネス推進部 副部長/Eight Team サービス統括を務める安齋様と、Eight事業部 Eight Team Growth グループ マネジャー/営業責任者の徳沢様にEight事業部のパートナービジネスと今後の展望について伺いました。

「提案のしやすさ」という発見が、パートナービジネスのはじまり


ー貴社でパートナービジネスを開始された経緯について教えてください。

安齋ーEight Teamでは2022年3月頃からパートナービジネスを検討し始めました。当初は、Eight Teamはインサイドセールス(IS)・マーケティング・営業が連携する、所謂「THE MODEL」型の体制を敷いており、展示会やマーケティング施策から得たリードをISがフォローしていました。ところが、実際には商談に進まずとも、ISの電話対応だけで契約が決まるケースも多く見られたんです。プロダクト自体に究極的なシンプルさがあったことで、「誰でも提案しやすい」状態を作れたのだと思います。

一方で、当時から代理店になりたいというお問い合わせも一定数いただいており、パートナービジネスも同時期に立ち上げました。とはいえ、当初は2名体制で、弊社から積極的に募集や開拓を行うことはなく、「パートナーになりたい」という申し込みがあれば受け入れる、という形でした。インセンティブ設計も「一件の受注についていくら支払う」というシンプルなものだったので、パートナープログラムと呼べるようなものはありませんでした。結果として思ったほどの成果は出せず、パートナービジネスの難しさを痛感したのを覚えています。


パートナー選定における「親和性」と「ターゲットの近さ」


ーなるほど、最初は上手くいかなかったのですね。ぜひ、その後の経過についても教えてください。

安齋ーパートナー数は2〜3か月で着実に増えたのですが、契約はほとんど生まれていないという状況が続いていました。こちらとしても、パートナーへのアプローチや管理の仕方がわからず、予期せぬタイミングで契約が入って管理工数が余計に増えてしまうということもありました。さらに、手探りで進めていたイネーブルメントの部分も大きな課題でした。

ーパートナー様のメリットやイネーブルメントの事前設計が重要ですね。

安齋ーEight Teamとしては、中小企業が営業基盤を強化する際、Eightを活用した名刺のデータ化・集約こそが「営業DXの第一歩」だと位置づけています。しかし、第一歩があるということは、当然その先の「第二歩」も存在します。私たちは、その第二歩にあたる「蓄積した名刺データを活用し、メール配信などのアクションにつなげるフェーズ」に関わる企業との連携を考えるようになりました。

つまり、パートナー選定の軸を「親和性」や「ターゲットの近さ」「エンドユーザーの利用プロセスと発展性」に置いたわけです。

直販では届かない層へ。Eight Teamが「パートナービジネス」を選んだ理由


ーパートナービジネスに注力するようになったきっかけを教えてください。

安齋ー本格的に注力し始めた背景には、「顕在層へのアプローチだけでは成長が頭打ちになる」という危機感がありました。以前、大手SaaS企業でパートナービジネスを担当されている方にお会いし、なぜ直販中心からパートナーシフトへ舵を切ったのかを伺ったところ、理由のひとつとして「直販の頭打ち」を挙げられていました。

では、Eight Teamが直販の限界をどこで感じたのかというと、同じく顕在層の伸び悩みでした。課題を自ら認識し、解決策を検索して初めて Eight Team に辿り着く──そんな構造のため、まだ課題に気づいていない層にはアプローチできなかったのです。

そこで、「成長スピードをもう一段引き上げるにはどうすべきか」を考えたとき、自然とパートナー戦略に立ち返りました。自社単独の営業活動には当然限界がありますが、パートナーを介することで“1が10に広がる”ようなネットワーク効果を生み出すことができます。その可能性にあらためて気づいたことが、パートナービジネスへ本格的に舵を切る大きな転機になりました。

ー成長するためにはパートナービジネスを広げなければいけないというフェーズに差し掛かってきたわけですね。

安齋ーまさにその通りです。ただ、そのタイミングで過去の経験が頭をよぎりました。以前に感じたパートナービジネスの難しさもあり、「いっそ直販の人員を増やし、伸び幅は小さくても着実に積み上げるべきではないか」と揺らぐ瞬間もありました。

特に当時はPull型の営業(問い合わせや反響対応)が主力でしたから、Push型の営業(こちらから提案していくスタイル)にリソースを割くという選択肢も現実的に検討していました。ただ最終的には、単価構造などを加味し、パートナービジネスに賭けることにしました。

ー次のフェーズに突入したのはどのタイミングでしたか?

安齋ー2024年秋頃に開催された展示会で、パートナープロップの後藤様とお話しし、PIVOTを見せていただいたタイミングですね。それまでは「来るもの拒まず」で何をどう頑張ればいいのかわからない状態でしたが、PIVOTのKPIツリーを見たことで、進めるべき方向性が明確になりました。また、「人単位でエンゲージメントを結ぶ」という考え方にも強く共感しました。

金銭より強力な“リード獲得”というインセンティブ ー単価の安さを活かした戦略


ー実際に運営していく中で見えてきた課題や気づきについてはいかがでしょうか?

徳沢ー初歩的な部分ですが、「パートナーにとって本当にメリットがある形で提供すること」が何より大事だと思っています。私たちは当初「インセンティブ=金銭的報酬」と考えていました。しかし実際は、「多くのお客様との接点を作り、自社製品のご提案につなげる。さらに自社の商材契約にもつなげられる」というようなサイクルを回せることの方が、圧倒的に価値になるケースがありました。そこは本当に目から鱗でしたね。

MDFのような仕組みもそうですが、「共同で記事を作る」「一緒にコンテンツ発信を行う」といった発想も、これまで私たちにはなかったものでした。一緒に取り組む中で関係性が深まり、「パートナーとこういうコラボもできるんだ!」という新しい気づきが得られたのは大きかったです。

目指すはパートナーとの「共創」、Eight Teamの新たな挑戦


ーこれからの戦略やKPI設計についても教えてください。

徳沢ーこれからは“現場の担当者様ごとの状況”まで見に行こうと考えています。まずは「誰にアプローチすれば良いのか」「誰をお手本として紹介すれば良いのか」といったことを分析できるようにしたいですね。同時に集めたデータを活かしてパートナーと関係性を深めながら、“同じチームとして活動する” 取り組みにもつなげていきたいです。

ーまさに、PIVOTでお話ししたKPIモニタリングの部分ですね。ターゲットとなるパートナー層によっても育成の取り組み度合いが変わりますから、難しいところですね。

安齋ーそうですね。まずはお客様に提案していただく前のイネーブルメントの段階の中でPDCAサイクルを回し、支援施策を継続的に改善していきたいと考えています。

ー今後の目標について、教えていただけますでしょうか?

徳沢ー今後は、パートナービジネスの規模を今の数倍、数十倍の規模へと拡大し、事業成長のドライバーにしていきたいですね。 個社ごとの開拓だけでなく、パートナー網を面で広げていくアプローチも強化し、盤石な体制を作ろうと動いています。

安齋ーただ、規模を追うあまり“来るもの拒まず”になってはいけないと思っています。しっかりと理念に賛同してくださるパートナー様と、質の高いコミュニティを作っていきたいですね。

最後に:Sansan Eight事業部からのメッセージ


ー最後に、これからパートナーマーケティングを始めようとしている方々に向けて、メッセージをいただけますでしょうか?

安齋ーまずは早く始めて、少しでも早くPDCAサイクルを回すことですかね。パートナービジネスはすぐに成果が出にくい分、手を動かして試行錯誤するほど学びが多いと思います。

あとは、自社サービスの価値を正しく理解し、言語化することが大切です。私自身も、パートナービジネスを通じてEight Teamの価値に向き合った感覚がありました。「あらためてEight Teamってなんなんだろう」「どこに価値があるんだろう」という部分を考えて、「こんな価値があるから、ここで組むといいですよ」というトークができるか。自社の価値を評価して、そこを活かせるよう早くトライしてPDCAを回していくことが肝心です。

ー組むべき商材としてアピールするトークは、営業として売る時とは全く別ですよね。

【募集】パートナー企業/Sansan Eight事業部


ー現在Eight事業部ではパートナー企業を募集しているとお聞きしましたが、どのようなパートナーと一緒に活動していきたいと考えていまでしょうか?

徳沢ー我々は中小企業のDX第一歩を後押しするサービスに取り組んでいますので、同じビジョンを持って、そうした領域で価値を提供されている企業様とパートナーになりたいと考えています。

加えて、やはりお互いの強みが掛け合わさってシナジーが生まれる関係が理想ですね。セット販売に限るわけではありませんが、組むことでお互いに相乗効果が生まれ、「一緒に成長できる」と感じられる関係を築けたら嬉しいです。我々としてもパートナーの皆様にしっかり恩返しができるような、Win-Winの関係で取り組むパートナービジネスを目指しています。

Sansan Eight事業部の新規パートナーになりたい企業様はこちら

https://materials.8card.net/eight-team/partner/?utm_media=referral&utm_source=partner_lp&utm_campaign=prop&utm_content=partner

ーここまでパートナービジネスに取り組んできた中で、パートナー側から「パートナーになって良かった」と感じた点などのお話はありましたか?

安齋ーとあるパートナー様からいただいた言葉で、特に印象に残っているものがあります。

「名刺管理サービスは他にもあるが、Eightは『つながりを常にアップデートできる』点に独自の価値がある」という評価です。 たとえば私が転職や異動でEightのプロフィール名刺を更新すれば、つながっているお相手のEight内のデータも自動更新され、それがSFAやMAとも連携される。常に最新の鮮度が高い人脈データを営業活動に活かせる仕組みこそが、そのパートナー様にとっての真価だと仰っていただきました。機能面だけでなく、「どこに行っても、離れてしまっても繋がっていられる」というEightの思想が、「人との関係」を何より大切にするセールスパートナー様の価値観と深く共鳴したというお話もいただき、胸が熱くなりました。

また、コンサルティングパートナー様からは「シンプルで提案しやすい」という声をよくいただきます。 料金体系がオープンで明快なため、複雑な説明や問い合わせ対応に時間を取られることがなく、スムーズに導入まで進められる点が、ビジネスのスピード感を重視するパートナー様に評価されています。

徳沢ーあとはやはり、「すでにEightやSansanを知ってくださっているお客様が多いので、話のきっかけ(ドアノック)を作りやすい」というお声もよく頂戴します。 サービスの「認知度」をうまく活用して、最初の重い扉を開けるきっかけにしていただければ嬉しいですね。様々なパートナー様と一緒にビジネスを広げていきたいと思っております!

安齋ーパートナー様は待っていても増えるものではないので、今後はオフラインのマーケティングや交流会などの活動を広げていくつもりです。「業界全体で一緒に盛り上げていこう!」という熱量のある企業様と組めたら最高ですね。 そのきっかけ作りとして、まずは私たちがしっかりと「場づくり」に投資していこうと考えています。

実は以前、Eight Teamを活用されているお客様を多数お招きして「Eight Award」を開催し、ユーザー様の活用事例を表彰して大いに盛り上がった経験があります。中小企業では、DXを担う担当者が社内でただ一人だったり兼務だったりという状況も珍しくなく、孤独に取り組まざるを得ないケースが少なくありません。だからこそ、ユーザー・ベンダー・支援する方が立場の垣根を超えて「仲間」を作れる場所を提供したい。「出会いからイノベーションを生み出す」というミッションのもと、そうしたコミュニティ作りも含めてパートナービジネスを加速させていきたいですね。

ー本日はお時間いただきありがとうございました。

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