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販売代理店契約とは?代理店契約書の中身やそのメリットを解説!

  • 2022年12月27日
  • 2024年6月13日
  • 代理店
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そもそも販売代理店契約とは?

販売代理店契約には、販売店契約と代理店契約の2種類があります。どちらも代理店と呼ばれていますが、それぞれ仕組みが異なります。そのため、代理店契約をする際にはそれぞれの仕組みをきちんと理解しておく必要があるでしょう。ここでは、販売店契約と代理店契約の違いや、それぞれの特徴について解説します。

販売店契約とは

販売店契約とは、販売店に販売権を与えて、商品やサービスを販売してもらうための契約です。販売店は商品やサービスの提供は受けますが、販売網は自社で構築する必要があります。

販売店契約を行う利点は、商品やサービスの提供を受けられるほかにも、企業によっては販売方法のノウハウを提供してもらえることなどがあります。

販売店は、独自に顧客との契約も可能です。ある程度の裁量があり、自由に販売できるのも販売店契約のメリットといえるでしょう。また、販売店は商品やサービスの売り上げに応じた報酬をもらうことができるので、多く販売すればするだけ、利益も大きくなります。

代理店契約とは

代理店契約とは、企業が販売店に商品やサービスを提供する契約となっており、その点は販売店契約とそれほど変わりありません。しかし、代理店契約になると販売店契約よりも自由度は低くなりますが、販売方法のノウハウの提供やマーケティング支援などが受けられます。

また、商品やサービスの販売量に応じた利益を得られます。ただし、代理店は契約店とは異なり、あくまでも商品やサービスを提供する企業の「代理」となるため、顧客との直接の契約締結はできません。

また、企業側のブランドイメージを損ねないためにも、販売方法やルールなどは守らなければなりません。

販売店契約と代理店契約

販売店契約と代理店契約の違いは、利益がどこに帰属するのかといった点です。販売店契約の場合は利益は販売店に帰属します。しかし、代理店契約の場合は、利益はサプライヤーに帰属します。

また、自由度も異なります。販売店契約になると自由度が高く、顧客との契約も可能であるため、販売店にとっては独立した事業として展開できる点がメリットです。逆にいえば、独自に販売網の構築を行わなくてはならない点は、デメリットといえます。

一方で代理店契約の場合は、企業の決めた販売ルールを守らなければならないため、自由度は低いといえるでしょう。しかし、企業のブランド名を活用することができ、販売ノウハウの提供を受けられるのはメリットです。

ただし、企業イメージを損なうような行為は慎まなければなりません。販売店契約と代理店契約は、どちらの方が優れているというわけではなく、企業の販売したい商品やサービスの特徴・市場環境をしっかりと調査して、慎重に判断しましょう。

代理店契約の事例

代理店契約を考えているなら、実際に代理店契約とはどのようなものなのかを把握しておく必要があるでしょう。代理店契約について詳しく知りたいのなら、実際の事例を知っておくことをおすすめします。ここでは、代理店契約について事例を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

株式会社USENの例

引用:USENパートナー企業募集

株式会社 USENは、IoTプラットフォーム事業や音楽配信事業を行っている会社で、商品の販売は代理店契約をしたお店が行っています。代理店をパートナーと呼んでいて、代理店になるのに契約料や初期登録料などがかからない点が、株式会社 USENの特徴です。

また、BGM・レジ・Wi-Fi・クレジット端末など、取扱商材も多岐にわたります。店舗の開店から閉店まで、多数の商材が用意されています。

何より、株式会社 USENのパートナーになるためには、商品に関する深い知識は必要ではありません。なぜなら、株式会社 USENはアフターフォローがしっかりしているからです。

freee株式会社の例

引用:freeeパートナープログラム – freee

バックオフィス業務をクラウドで完結できるサービスを提供しているのが、freee株式会社です。クラウド会計ソフト「freee会計」、アナログでのタイムカード管理を手放せる「freee人事労務」などのソフトを提供しています。

freee株式会社の場合は、パートナー契約をする際には2種類ある契約プログラムの好きな方を選べるようになっています。具体的には、freeeの商品を販売取次できる代理店と、再販できる代理店です。

また、freeeサービスやバックオフィス業務を学べる学習コンテンツ・商談や導入アドバイザリーにfreee社員が同行する実地トレーニング・業務に必要なコンテンツの共有などのサポートが受けられる体制などが用意されています。

代理店契約までの流れ

代理店契約までの流れは、以下の通りです。

  1. 相手方の選定
  2. 契約書の作成
  3. マーケティング支援
  4. 契約期間の管理

代理店契約までの流れは、自社に合った商品やサービスを提供してくれる企業を見つけることです。企業の製品やサービスを代理店として販売したいのであれば、その企業の商品やサービスに詳しくなければなりません。また、販売ノウハウを持っていることも大切です。

契約書の内容には法的拘束が生じるため、特に「契約書の作成」は非常に重要です。
その際に、契約書に必ず盛り込んでおくべきことは、契約解除の条件です。今後トラブルが起こった際に自由に契約を破棄できるのかどうかなど、しっかりと定義しておく必要があります。

契約が終了したら、企業側はマーケティング支援を行います。企業側は代理店が市場においてより活躍できるよう、代理店向けの研修なども提供しなければなりません。

また、契約期間の管理も重要です。契約期間がいつからいつまでなのかを明記しておく必要があります。

契約期間が過ぎてしまったら商品やサービスの販売ができなくなるため、いつ契約が切れるのか、切れたらどうすればよいのかなどを管理しておかなくてはならないでしょう。

代理店契約時の注意点

代理店を契約する際には、以下のような注意点があります。

  • 競合商品取り扱いは不可
  • 2次・3次店への再委託
  • 広告出稿・ロゴ利用
  • 架空・意思なし申込

代理店契約にはトラブルがつきものです。しかし、上記のような点に注意をして契約書を作成することで、トラブルは最小限にできるのではないでしょうか。ここでは、代理店契約時の注意事項に関して解説します。

競合商品取り扱いは不可

代理店契約をするなら、競合商品の取り扱いには十分注意しましょう。基本的に、競合商品を取り扱うのはあまりよいものではありません。

ただし、義理などでどうしても取扱いをしなければならないときには、範囲を決めておくようにしましょう。また、取り扱いはするもの1回目のアポイント時に営業をしてはならないなどの取り決めも重要です。

2次・3次店への再委託

代理店契約をすると、2次・3次店への再委託も可能です。しかし、再委託をするとトラブルのもとになりやすいです。トラブルにしないためには代理店を多くし過ぎないことが大切です。せいぜい2次までにしておくと良いでしょう。

広告出稿・ロゴ利用

広告出稿・ロゴ利用の際には、きちんと確認しておきましょう。勝手にロゴの利用をするのは当然よくありません。また、広告熟考に関しても取り決めが必要です。なぜなら、広告出稿によっては、企業の方が自社よりも検索の上位に出てきてしまう可能性もあるからです。

架空・意思なし申込

手数料が欲しいからと、名簿を利用して勝手に申し込みをしてはいけませんよね。そういったことは犯罪になるうえに、企業側からしてみれば架空の申し込みや意思のない申し込みは意味がありません。そのため、発覚したときに大きなトラブルに発展してしまいます。架空・意思なし申込は手数料のかかる場所です。そのため、代理店が襲われる危険があります。

詳しいことは、下記資料よりご覧ください。

契約書作成入門のダウンロードはこちら

代理店契約書の作成方法

代理店契約をする際に忘れてはならないのが、代理店契約書です。ここでは、代理店がチェックするべき、企業との契約について解説します。

代理店契約書とは

代理店契約を行うには、必ず契約書が必要です。代理店契約書には、契約の目的や期間、販売方法、報酬、紛争解決方法などが記載されます。

これらの条項をしっかりと含むことで、トラブルを防ぐこともできます。また、契約書ではなくても、以下の書類は契約書と同じ扱いをされます。

  • 覚書
  • 注文書・注文請書
  • 合意書
  • 利用規約

代理店契約をする際に、契約書と覚書をうまく使い分けることで、運用の負担効率を減らせるだけでなく、柔軟な対応が可能になります。

とはいえ、代理店契約までの流れを把握したなら、契約書の作成方法も知っておく必要があるでしょう。ここでは、契約書の内容について詳しく解説します。

契約の目的と範囲

代理店契約書には、契約の目的と範囲を記載します。具体的には、代理店が販売する商品やサービスの詳細です。

代理店と企業が契約に基づく販売活動を行うということを明確にしたものが契約書なので、流し読みをするのではなく、契約書の内容をきちんと理解することも大切です。

契約期間と解除条件

契約書で大事なのは、契約期間や解除条件を盛り込むという点です。もちろん契約更新の手続きなどについても、契約書に明記しておきましょう。

そのほか、契約解除の条件にも注意してください。契約解除の条件が盛り込まれていないはずはなく、もし企業と販売代理店でトラブルがあった際には、機序に関する手続きが契約書に明記されているとスムーズに手続きを進められます。

販売方法と報酬

販売方法や報酬についても、重要事項です。代理店は、企業が決めた販売方法で、商品やサービスを販売します。また、報酬に関しても固定タイプと販売数に応じた支払いを受けられるタイプの2種類があります。

どちらにしても、契約書に具体的な金額や報酬の受け渡し方法についても、記載されます。これらを明確にしておくことで、問題なく契約の手続きができるでしょう。契約書に関しては、内容をしっかり読んで把握しておくことが大切です。

代理店契約のメリット

代理店契約には、企業・代理店それぞれにメリットがあります。

企業側のメリット

代理店契約を行うことによって、企業には以下のメリットがあります。

  • 新規市場開拓の促進
  • 販売リスクの分散化
  • コスト削減

代理店契約を結ぶことで、企業側には大きなメリットがあります。代理店が持つ販売ノウハウやネットワークを活用することによって新規市場の開拓や顧客獲得が促進され、売上拡大につながる可能性があります。ただし、販売代理店契約を結ぶことで、代理店が持つ販売ノウハウやネットワークを活用しても、失敗に終わる場合もあります。

代理店側のメリット

代理店側にももちろんメリットはあります。販売ノウハウやネットワークの活用 販売代理店契約を結ぶことで、そのノウハウや販路をものにできるでしょう。

そのほかには、製品の安定供給が可能となっています。販売代理店契約を締結することにより、代理店は企業の製品を安定させることが重要です。そのほか、宣伝などは企業側が行っています。そのため、ムリに広告宣伝費を組む必要がなく、そういった宣伝は意味がありません。

まとめ

本記事では、「代理店とは何か」について解説してきました。販売代理店契約書は、企業と代理店との間で商品やサービスの販売を委託する際に必要な契約書です。契約書には、契約の目的や期間、販売方法、報酬などが明確に記載されます。

代理店側にとっては、販売代理店契約書に基づく販売活動を行うことで、販売チャネルの拡大や報酬の獲得などのメリットがあります。企業側にとっては、代理店を通じて商品やサービスを販売することで、販売チャネルの拡大や販売促進効果の向上などのメリットがあります。

また、販売代理店契約を結ぶ場合には、代理店と企業の間での契約書作成は欠かせません。契約書に明確に記載しておくことで、無茶な要求や過度な販売を押し付けられることはないでしょう。

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