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パートナーサクセスの達成とは?事例をもとにメリットやコツを解説!

みなさんは、パートナーサクセスと聞いてどのようなイメージが浮かぶでしょうか。パートナーサクセスは海外では重要な概念の一つですが、日本ではまだ浸透していないため、具体的なイメージがわかない方も多いと思います。

この記事では、パートナーサクセスの具体的な成功事例を紹介することで、パートナーサクセスの達成とは何か、そして達成するためにはどのようなコツがあるのかを解説していきます。

パートナーサクセスとその成功事例とは

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パートナーサクセスとは、一言でいうとビジネスパートナーとともに成功を追求するプロセスのことを言います。ここでいうビジネスパートナーの関係は、単純な元請け・下請け関係ではなく、双方が協力して価値を提供しあうような関係が理想となります。

それではパートナーサクセスにおける成功とはどのようなものかと言うと、双方の企業が自分の強みを相手の事業に活かしたり、相手の弱点を補ったりすることで、お互いに利益を享受し、両方の企業が成長することを指します。この記事では、パートナーサクセスの具体的な事例を見ることで、パートナーサクセスに必要なことを解説していきます。

パートナーサクセスについて、詳しくはこちらの記事で解説しています。↓

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パートナーサクセスとは

パートナーサクセスが必要な背景

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パートナーサクセスの具体的な事例を見ていく前に、なぜパートナーサクセスが重要と言えるのか考えてみましょう。

企業が市場で生き残るには、その中で競争力を維持し、競合他社に勝る価値を顧客に提供していく必要があります。しかし、新しく強力な企業や事業が次々と現れる昨今、自社企業だけで競争力を維持することは困難です。

そのため、他社と協力して成長することを目的としたパートナービジネスの重要性が高まってきています。そして、そのパートナービジネスで結果を得るためには、単純に目先の利益を追求するだけでなく、パートナーと長期的に良好な関係を築き、より強固で有効な連携体制を確立するパートナーサクセスを達成することが重要になってくるのです。

有名メーカーのパートナーサクセス事例5選

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それでは、ここからパートナーサクセスの具体例を見ていきましょう。まずは日本でも有名な、世界で最も成功したパートナーサクセスの事例を5つ紹介します。

  1. コカコーラとマクドナルド
  2. NIKEとApple
  3. フォードとマイクロソフト
  4. GoogleとNASA
  5. IBMとSAP

事例①コカコーラとマクドナルド

マクドナルドに行くと多くの人がコカコーラのドリンクをセットで注文すると思います。マックのポテトといえばコカコーラというイメージがすっかり定着していますよね。

コカコーラとマクドナルドは、パートナー企業として60年以上もの間、非常に良好な関係を築いています。どちらもアメリカの飲食業界における最大手企業であり、長期的なパートナーシップを築くことで、お互いのブランドイメージを高めることに成功しています。

マクドナルドはコカコーラにとって最大の顧客であり、逆にコカコーラはマクドナルドのポテトやハンバーガーの味に合うドリンクの開発を行っています。お互いに価値を提供し合っているからこそ、長期的に良好な関係を維持できるのかもしれません。

事例②NIKEとApple

スポーツ用品の有名ブランドであるNIKEとコンピューターやスマートデバイスの大手企業であるAppleのパートナー契約も有名です。スポーツとスマートデバイスという、全く異なる業界に関わっている企業ですが、お互いの専門知識を活かす形で、魅力的な商品を生み出しています

NIKEとAppleの最初の提携は2006年で、NIKEのランニング用スニーカーとAppleのiPodを組み合わせた、Nike + iPodの共同開発を行いました。これは、ランニング用スニーカーにセンサーを取り付け、読み取った歩数や走行距離などの情報をiPodで記録したり、「何キロ走った」などの進捗状況をiPadの音声で聞けたりするものです。お互いの強みを活かして、音楽を聴きながら運動する人のニーズに応えた商品でした。

現在もApple WatchのNIKEモデルなど、Appleのスマートデバイスと、NIKEのスポーツに関する専門知識やファッション方面におけるブランド力が組み合わさったコラボ商品を生み出しています。

事例③フォードとマイクロソフト

自動車メーカーであるフォードとソフトウェア開発会社のマイクロソフトは、2007年から自動車用のシステムの共同開発を行っています。

ドライブ中に音楽を聞く人は多いと思いますが、フォードとマイクロソフトが共同開発したシステムでは、音声コマンドによってドライブ中に音楽を再生・ストップすることができます。他にも、電話をかけるなど様々な機能にアクセスでき、ユーザーにとって魅力的な製品の開発に成功していると言えます。

この提携によって、マイクロソフトにとっては自動車用ソフトウェアという新たな領域への参入が、フォードにとっては他の自動車メーカーとの差別化を図ることが可能になっています。

事例④GoogleとNASA

インターネット関連のサービスやデバイスの開発を行うGoogleと、宇宙開発・研究機関であるNASAも、2006年からパートナーシップを継続しています。地球や月を自由に動かして3Dイメージを観察できるGoogleのサービス、GoogleEarthやGooleMoonには、NASAの惑星に関する専門知識が活かされています。

また、GoogleとNASAによる量子コンピューターの共同開発も有名な話です。これはGoogleの持つインターネットとコンピューターに関する専門知識や世界中のユーザーと、NASAの持つ科学や宇宙に関する専門知識をお互いに提供しあえるパートナーシップであると言えます。

事例⑤IBMとSAP

IT企業のIBMと、ソフトウェアの開発を行うSAPのパートナーシップは、1972年から続いています。SAPが開発したソフトウェアを用いて、IBMが様々なデバイスやサービスを開発するなど、非常に密接な協力関係を築いているのが特徴です。

2024年には、IBMとSAPが新たな生成AIを共同開発することが発表されました。パートナーサクセスによって、常に最新の製品やサービスを生み出していくことが可能になっていると言えます。

メーカーと販売代理店におけるサクセス事例

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日本の場合、パートナーサクセスは特にSaaS企業でさかんに行われています。ここでは、日本で最も成功しているSaaS企業のパートナーサクセス事例を5つ紹介します。

  1. サイボウズ
  2. フリー
  3. マネーフォワード
  4. カオナビ
  5. インフォマート

事例①サイボウズ

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サイボウズはグループウェア「サイボウズOffice」シリーズなどを手がけるソフトウェア開発会社です。「Cybozu Partner Network」、通称CyPN(サイパン)というパートナープログラムを実施しており、様々な企業とパートナー契約を結ぶことで成果を上げています。パートナーには、相手企業の特徴に合わせて次のような種類があります。

  • コンサルティングパートナー:販売・提案・開発・構築・コンサルティングなどを行う
  • プロダクトパートナー:製品と連携する製品・サービスを提供する
  • ディストリビューター:製品のディストリビューションを行う

パートナー企業の長所を活かして、サイボウズの製品をより良くしていくことができる仕組みと言えます。また、サイボウズからオフィシャルパートナーに対して、ツールの提供、マーケティング支援、教育研修、協業支援など、様々なサポートを提供しており、Win-Winの関係を構築できる工夫が見られます。

事例②フリー

提供:freee

法人・個人事業主向けのクラウド会計ソフト、freeeなどを開発、運営するフィンテック企業、フリーは、「freeeパートナープログラム」を実施しています。

プログラムにはfreeeの販売を取次するパートナーと契約を結ぶSAプログラムと、freeeの販売を行うパートナーと契約を結ぶVARプログラムの二種類があります。パートナーには、学習コンテンツ、営業代行などのトレーニング、定例会などの手厚いサポートを提供しています。

事例③マネーフォワード

提供:マネーフォワード

法人・個人向けの金融系Webサービスを提供するマネーフォワードは、「公認メンバー精度」という士業事務所を対象としたパートナープログラムを実施しています。士業事務所が顧客の問題解決のために、マネーフォワードのサービスを利用できるプログラムです。

パートナーはマネーフォワードから、顧客先管理システムや事務所用アカウントの提供などのサポートも受けることができます。マネーフォワードのサービスと、それを有効活用できる士業事務所が協力することで、顧客に新たな価値を提供できるプログラムとなっています。

事例④カオナビ

提供:カオナビ

クラウド人材管理システム「カオナビ」を提供しているカオナビは、「セールスパートナー制度」というパートナープログラムを実施しています。

パートナーはカオナビの代理販売や紹介を行い、カオナビ側は資料・動画などの学習コンテンツや、勉強会、営業同行などの人材育成のサポートを行います。他にも、カオナビの販売実績がストック型収入になる、カオナビのブランド力を借りられるなど、パートナー企業に様々なメリットを提供していると言えるでしょう。

事例⑤インフォマート

提供:インフォマート

企業間電子商取引プラットフォームを運営するインフォマートも、製品の販売や紹介を行う企業とのパートナー契約を結ぶパートナープログラムを実施しています。

パートナー企業には、パートナーサポートプログラムを実施しており、パートナー企業は勉強会、定例会、営業同行、セミナーなどの教育サポートを受けることができます

事例から読み解くパートナーサクセス達成のポイント

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最も成功したパートナーサクセスでは、両企業が様々な利益を得ていることがわかります。その利益を生み出すことができたポイントとして、次のことが挙げられます。

  • 長期的に良好な関係を築いている
  • お互いの長所から新たな価値を創出している

長期的に良好な関係を築いている

最も成功したパートナーサクセスでは、全ての例で長期にわたり安定した関係を築いています。これによって、双方の会社が次のような利益を得ていると考えられます。

  1. お互いの企業をよりよく理解し、密接な協力関係を構築できる
  2. 長期的な共同開発・事業の計画が立てられる
  3. 顧客にブランドイメージが定着する

メリット①お互いの企業をよりよく理解し、密接な協力関係を構築できる

パートナー関係が長期になると、相手企業の特徴や事業内容を深く理解することができます。これは自社のもつ知識、技術、市場などと組み合わせて、新たな製品やサービスを生み出す際に役立つでしょう。

また、パートナーシップが長期にわたって良好で安定しているからこそ、より密接な関わりが可能になると考えられます。例えば、コカコーラがコーラの味をマクドナルドのハンバーガーやポテトに合わせて改良していることや、SAPがIBMのためのソフトウェア開発を行っていることが良い例です。

もしも両企業の関係が浅ければ、パートナーシップが安定して継続できるかどうかに不安があるため、相手企業ありきの商品開発を行うことはリスクになる場合があります。

メリット②長期的な共同開発・事業の計画が立てられる

長期的に安定した関係を築くことができた企業に対しては、今後も長く関係を続けていけるという信頼があります。そうすると、より大規模で長期にわたる共同開発や事業の計画も安心して立てることができます。

GoogleとNASAの量子コンピューター開発やIBMとSAPの生成AI開発は、予算的に見ても大規模であり、今後長期に渡って続くと考えられますが、このような計画が可能なのは、これらのパートナーシップがすでに長い間成功してきたからこそと言えます。

メリット③顧客にブランドイメージが定着する

長い間パートナー関係を継続していると、顧客側も両ブランドを関係の深いブランドとしてイメージすることになります。

たとえば、マクドナルドを思い浮かべる時はコカコーラも同時にイメージする、というように、顧客の中で両ブランドが切っても切れない関係になることで、ブランドイメージをお互いに高めあうことになります。これは、短期間のパートナーシップではなかなか実現しないことであり、深い関係が長期的に続くからこそのメリットと言えるでしょう。

お互いの長所から新たな価値を創出している

双方の企業が異なる長所を持ち、それを活かした新たな価値を創出できているという点も、パートナーサクセス達成事例に共通する特徴です。これによって、企業は次のような利益を得ることができます。

  1. 自社にはない知識・技術を活用できる
  2. 新たな市場に参入できる

メリット①自社にはない知識・技術を活用できる

今回紹介したパートナーサクセスの事例では、それぞれ異なる領域の知識や技術を持つ企業同士が協力することで、新たな価値を生み出していました。

例えばGoogleEarthは、Googleのもつインターネットに関する知識・技術だけでは不可能であり、NASAの協力があってこそ実現したものです。もしかすると資金力のあるGoogleなら、自社で惑星に関するデータを収集することもできたかもしれませんが、パートナーシップによってそれよりはるかに効率的に新たなサービスを生み出すことができたのです。

また、日本のSaaS企業のパートナープログラムでも、代理店側が自社だけでは開発できない製品や、提供できないサービスを顧客に提供することができるようになっています。

このようにパートナー企業がそれぞれの長所を組み合わせることで、いままでにない新たな価値を顧客に提供できるのです。

メリット②新たな市場に参入できる

パートナーシップによって相手企業の市場にスムーズに参入できることも、パートナーサクセスがもたらす大きなメリットです。

例えば、NIKEとAppleはパートナーシップによってスマートデバイスの市場、スポーツ用品の市場に、それぞれ効率的に参入することができました。マイクロソフトも、フォードとの協力によって自動車の市場に参入しています。こうして、新たな製品やサービスの開発とともに、新たな市場に事業を拡大できるのです。

また、日本のSaaS企業も、パートナー企業の協力によって、パートナーの市場への参入が可能になっていると言えます。

パートナーサクセス達成のコツとは

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パートナーサクセスの成功事例には、長期的に良好な関係を築いている、それぞれの企業が異なる長所を持ち、そこから新たな価値を創出している、という特徴がありました。このことから、パートナーサクセス達成のコツとして、次のようなことが挙げられます

  • 長期的な関係を築くための信頼関係を作る
  • 相手企業を深く理解し、協力する
  • 自分の企業にはない知識・技術・顧客をもったパートナー企業を選ぶ
  • お互いの長所を組み合わせた新たな製品やサービスを創出する
  • 共通の目標を持って製品やサービスの開発に取り組めるパートナー企業を選ぶ

パートナーサクセス達成のためには、パートナー企業の選定から非常に重要であると考えられます。これからパートナー事業を始めようとする方は、ぜひこれらのコツを参考にしてみてください。

パートナーサクセス達成のための具体的な施策は次の記事で解説しています↓

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まとめ

  • パートナーサクセスとはビジネスパートナーとともに成長することをめざすプロセスである。
  • パートナーサクセスにおける成功とは、経済的利益だけではない様々な利益を双方の企業が得ることである。
  • 企業が市場で生き残り、成長するために、パートナーサクセスの考え方が重要である。
  • 世界や日本で最も成功したパートナーサクセスの事例に共通するのは、長期的に良好な関係を築いていることと、お互いの長所から新たな価値を創出していることである。

この記事では、最も成功したパートナーサクセスの事例を紹介しました。この事例を分析することで、パートナーサクセスを実現するためのポイントを学ぶことができます。パートナー事業において、ぜひ心がけてみてください。

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