パートナーマーケターとは?<br>定義から国内事例、キャリアパスまで徹底解説│PartnerLab|パートナーラボ
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定義から国内事例、キャリアパスまで徹底解説

パートナーマーケターとは?
定義から国内事例、キャリアパスまで徹底解説

目次

パートナーマーケターの定義と役割


パートナーマーケターとは、自社のパートナーマーケティング活動を専門に担うマーケターのことです。

具体的には、自社と協業するパートナー企業との架け橋となり、互いの強みを生かしたWin-Winの関係性をデザインするプロフェッショナルを指します。従来のパートナービジネスでは担当者同士の人間関係に頼って案件創出する場面が多く、「あの人に頼まれたから自社商品を扱う」といった属人的な動機に依存しがちでした。しかしそれでは拡大に限界があるため、パートナーマーケターは「パートナー企業が自ら売りたくなる仕組み」を構築し、パートナー経由の売上が持続的に伸びる環境を作る役割を担います。 

近年特にBtoB業界では主要パートナーとのエコシステム戦略が注目され、パートナーマーケターの重要性も高まっています。実際、企業成長戦略においてパートナーマーケティングが鍵になると認識する企業は約7割に上りますが、従来の直販文化もあって投資を本格拡大できている企業は2割程度にとどまります。しかし2020年代以降、主要なパートナーとの共創による成長が不可欠との考えが広がり、パートナーマーケターという職種が今大きく注目されているのです。海外では既にパートナーマーケターの求人が数万件規模に達し給与も上昇傾向にあり、共創戦略を牽引する次世代の重要職種と見なされています。

パートナーマーケターとパートナーセールスの違い


パートナーセールスとパートナーマーケターはいずれもパートナービジネスの成長がミッションですが、そのアプローチと役割は異なります。

パートナーセールスが「パートナー経由の売上最大化」を直接の目的とし、パートナー企業の営業担当者と向き合い案件個別に商談支援・クロージングするのに対し、パートナーマーケターは「パートナーが商品を売れる状態を作ること」を目的に、パートナー企業全体に対して仕組みや環境づくりで働きかけます。

両者の主な違いをまとめると以下の通りです

  • ミッションの違い:パートナーセールスは、パートナー経由の販売件数や受注額など「短期的な売上」を追い、パートナーマーケターは、パートナーリード数やエンゲージメントなど「中長期的な活動成果」を重視します。
  • 活動の違い:パートナーセールスは、定期訪問や提案同行・クロージングなど案件ごとの伴走が中心です。パートナーマーケターは、資料作成や共催ウェビナー、認知拡大・教育・リード創出施策を通じて、パートナーが商談を生み出せる“仕組みづくり”に注力します。
  • 必要スキルの違い:パートナーセールスには営業力・交渉力・商談推進力が、パートナーマーケターには企画力・分析力・施策運用力・コミュニケーション力などマーケ寄りのスキルが求められます。いずれもゴールは「パートナー経由の売上拡大」であり、二人三脚で連携してこそ最大の成果が生まれます。

LINE WORKS株式会社では、パートナーセールスとパートナーマーケティングの役割を明確することで、パートナービジネス(間接販売)での売り上げを最大化しています。

▼LINE WORKS様の記事から「パートナーマーケティング」の役割を学ぶ

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パートナーマーケターの業務内容


パートナーマーケターの担当領域は多岐にわたり、マーケティングとアライアンス(提携)活動の両面にまたがります。

主な業務をステップごとに見てみましょう。

  • パートナー候補の調査・新規獲得
    有望な販売パートナー候補をリサーチし、アプローチ〜契約締結までを推進します。状況に応じて条件交渉やスキーム調整を行い、双方にメリットのある提携モデルを設計します。
  • パートナーの育成と関係構築
    提携後はトレーニングや販売ガイド提供などのオンボーディング支援を実施し、担当者との定期的なコミュニケーションを通じて「一緒に売るチーム」という関係性を育てます。信頼形成と理解促進が、活動の広がりを生みます。
  • 共同マーケティング施策の企画・実行
    セミナー・ウェビナー共催や共同キャンペーン、パートナー顧客向けコンテンツ提供など、市場開拓を共に進める施策を企画します。マーケ機能が弱いパートナーに対しては、販促物の制作や施策設計を自社側が主導して支援します。
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  • リード創出・ナーチャリング支援と自走化
    パートナーが継続的に案件を生み出せるよう、リード提供や共同ナーチャリングなどの支援を行います。加えて、最新情報・成功事例の共有や勉強会、営業同行などを通じて提案しやすい環境を整備し、自律的な販売活動(自走)を促進します。
  • イベントやコミュニティ活動の運営
    年次カンファレンス、表彰式、交流会などパートナー向けイベントを企画・運営し、情報交換や関係強化を促進します。コミュニティの活性化は、パートナーエコシステム全体のエンゲージメント向上につながります。
  • 社内調整・部門横断の協働
    パートナーセールスや製品、CSなど社内関係者と密に連携し、現場の声をマーケ施策に反映しながら、パートナー要望をプロダクト改善へつなげます。複数部署・企業を巻き込むため、高い調整力と推進力が求められます。
  • 成果の測定と施策改善
    MA・CRMなどを活用してリード数、商談数、売上などのKPIを可視化し、施策の効果を検証します。セミナーの商談化率やコンテンツ反応率などを分析し、良い施策は展開、課題のある施策は原因を特定し改善するなど、PDCAを継続的に回します。

この①〜⑦の活動を継続的に実行することで、パートナープログラム全体の成果を最大化していくのがパートナーマーケターの使命です。

以上のようにパートナーマーケターは、新規パートナー開拓から育成、協業施策の推進、効果測定まで非常に幅広い業務を担います。常に「パートナーの成功=自社の成功」という視点で考え、マーケティングを通じてパートナーとの共創による売上拡大の仕組みを構築していく役割と言えるでしょう。

パートナーマーケターの実例 : freee社



freee社のパートナーマーケター。わずか2名のチームで約1500件の商談創出を実現した事例として、また国内で先進的にパートナーマーケティングに取り組んでいる例として、クラウド会計ソフト大手のfreee株式会社が挙げられます。同社は2012年の創業期から会計事務所向けのパートナープログラム「認定アドバイザー制度」を推進し、会計事務所との協業による間接販売に注力してきました。これは、中小企業が会計ソフトを導入する際に税理士・会計士など士業パートナーの推薦やアドバイスを重視するケースが多い実態に着目した戦略です。freee社の認定アドバイザー(会計事務所)経由でfreeeを利用しているエンド顧客は現在15万社に達し、freee社全顧客60万社の25%を占めるまでになっています。このようにパートナービジネスが自社成長の柱となっており、freee社内ではパートナー支援を専門とするマーケターが大きな役割を果たしています。 freee社のパートナーマーケティング成功を支えたポイントとして、次の3つの柱が挙げられています

  • プロダクト開発へのフィードバック活用: パートナー(会計事務所)から現場の要望や改善提案を集約し、素早く製品改良につなげる仕組みを整備。
  • サクセス支援(導入サポート)の充実: パートナーが安心して自社製品を扱えるよう、勉強会や個別サポートで導入の不安を解消し、付加価値提供を後押し。
  • パートナーランク制度の導入: パートナーの実績や習熟度に応じてランク付けし、エンド顧客から見ても「信頼できるパートナー」を可視化。パートナーには自社の実力証明となり提案しやすくなる利点がある。

さらにfreeeで社はデータドリブンなKPIモニタリングを徹底しており、パートナー経由案件の創出プロセスを細かく可視化しています。

例えば「アプローチ予定数」「提案実施数」「継続提案(継続利用)率」といった中間KPIを設定し、誰がどれだけ活動しているかを追跡できるダッシュボードを構築しました。

従来はスプレッドシートで管理し現場レベルのフォローに限界がありましたが、PRMツール「PartnerProp」の導入によってパートナー企業内の個人単位での進捗管理と支援が可能となりました。パートナー各社のどの担当者が提案を進めていないかまで把握し、的確なフォローアップを実現しています。 

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こうした仕組みづくりとデータ活用により、freee社では少数精鋭チームでも爆発的な成果を上げています。実際、士業パートナー向けの提案支援施策を専任メンバーわずか2名で推進した結果、約2ヶ月間で約1500件もの提案(商談)創出に至ったという実績が報告されています。これはパートナービジネスの非連続な成長力を示す象徴的な数字であり、freee社のパートナーマーケター達がいかに効果的な環境整備と仕掛けを行ったかを物語っています。freee社の事例からも明らかなように、優れたパートナーマーケターは「仕組み作りの巧者」です。

パートナーマーケターという職種は、1対1の直販ではなく1対Nのスケールで事業成長を実現する醍醐味があり、少人数でも大きな成果を生み出せることをこのケースは示しています。

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パートナーマーケターに必要なスキル


パートナーマーケターとして活躍するには、マーケティング領域の専門知識に加え複合的なスキルセットが求められます。社内外の多くの関係者と協働するポジションのため、単なるマーケ知識だけでなくプロジェクト推進力やビジネス理解まで幅広い能力が必要です。

主な必要スキルは次の通りです。

  • コミュニケーション能力と関係構築力
    パートナー企業の担当者や社内の営業・製品チームとの橋渡し役となるため、高い対人スキルが不可欠です。価値を正確に伝えるプレゼン力、相手の意図を汲み取る傾聴力・折衝力、長期的な信頼関係を築くホスピタリティなどが求められます。異なる企業同士の協業を円滑に進め、双方にとって納得できる落とし所を見つける調整力が中核となります。
  • マーケティングの専門知識とコンテンツ企画力
    デジタル施策、コンテンツ制作、リード獲得、イベント企画など幅広いマーケ知識を基盤とし、特にBtoBマーケティングのプロセス理解が強みになります。パートナーが提案しやすくなるよう、資料・成功事例・FAQなどのコンテンツを整備し、パートナー営業の「売りやすさ」を高める企画力が重要です。
  • データ分析力とデータドリブン思考
    リード数、商談数、コンバージョン率といったKPIを分析し、支援が必要なパートナーや効果の高い施策を判断します。数字に基づいて論理的に示せることで、提案の説得力が増し、パートナーからの信頼にもつながります。
  • プロジェクトマネジメントスキル
    複数施策を同時進行で動かすため、タスク整理、進行管理、関係者調整が不可欠です。イレギュラーが起きがちなパートナー施策では、期限から逆算した段取り、役割分担の明確化、問題発生時の迅速対応が求められます。「段取り八分」で全体を俯瞰しつつ、最後までやり切る実行力が協業成功のカギとなります。
  • チャネルビジネス理解とビジネスセンス
    パートナー契約の仕組みや手数料モデル、リセラー割引、紹介料などの収益構造を理解していると、より合理的な提携スキームを設計できます。契約・法務の基礎知識、自社プロダクトと市場動向への深い理解も、パートナーから信頼される要素となります。

以上より、パートナーマーケターには「マーケ×セールス」のハイブリッドな資質が求められると言えます。実際、求人要件でも「BtoBマーケ経験○年以上」「社内外ステークホルダーとの折衝経験」等が挙げられることが多く、マーケティングと営業双方の視点から価値提供できる人材が適任とされています。「他社と共に価値を生み出す」マインドセットとスキルを兼ね備えた人こそ、パートナーマーケターに向いていると言えるでしょう。

パートナーマーケターのキャリアパス


パートナーマーケターとして経験を積んだ後のキャリアパスには様々な可能性があります。基本的な方向性としては、アライアンス分野の専門性を活かして事業開発系ポジションに進むか、マーケティング部門内で更なる責任者ポジションに就くかの大きく2通りがあります。

 一つは、パートナーマーケターの知見を活かしてパートナー事業全体の統括やアライアンス戦略推進のリーダーになる道です。例えば社内でパートナービジネス部門のマネージャーやアライアンス責任者に昇進し、パートナーセールスチームやアライアンスチームを率いるケースがあります。パートナー企業との価値共創で成果を出せるスキルは他部署からも評価されるため、事業開発・経営企画など横断的な役割に抜擢される可能性も高いでしょう。 

もう一つは、マーケターとしての専門性をさらに深め、マーケティング部門内で上位職にステップアップするパターンです。たとえばパートナーマーケティングの成功経験を糧に、プロダクトマーケティングやデジタルマーケティングのディレクター、最終的にはCMO(Chief Marketing Officer)といったマーケティング責任者クラスを目指す道もあります。パートナーマーケターの経験は「マーケ×アライアンス」の希少なスキルセットとして評価されるため、マーケ部門内でも戦略立案や統括のポジションで重宝されるでしょう。

CAO(Chief Alliance Officer)とは何か?

さらに近年では、キャリアの延長線上にCAO(チーフ・アライアンス・オフィサー)という経営幹部ポジションも見据えられるようになっています。CAOはCEOやCOOと同じCxOの一種で、企業内でアライアンス戦略全般を統括する最高責任者です。自社とパートナー企業の強みを組み合わせたジョイントGo-To-Market戦略の立案・推進や、複数部署にまたがるパートナー施策の調整を担い、全社横断でパートナーエコシステムの構築をリードします。特に営業・マーケ・製品・カスタマーサクセスなど社内各部門の連携が不可欠なため、経営層の権限で組織横断の体制作りを進められるCAOの存在意義は大きいとされています。 海外ではHead of Partnerships(パートナーシップ責任者)が経営陣に加わる例が増えており、実際にクラウド企業のIntuitive.Cloud社では2023年にCAO職を新設して「パートナー戦略で事業成長を牽引する」ミッションを掲げています。このようにパートナーエコシステム戦略が企業成長の柱となりつつある海外では、CAOの設置が徐々に一般化しています。国内企業でのCAOはまだ珍しい存在ですが、今後パートナービジネスの重要度が増せば日本でも導入が進む可能性があります。パートナーマーケターにとってCAOはひとつの到達点とも言えるキャリアゴールであり、将来的に経営層への道を切り拓くポジションとして注目されています。

まとめ


パートナーマーケターは、パートナービジネスが高度化・戦略化する現在において、企業成長を“共創”で牽引する重要なプロフェッショナルです。自社単独ではなく他社と共に成長する」発想で市場を切り拓くパートナーマーケティングは、スタートアップから大企業まで幅広く注目され始めています。freee社のような成功事例も登場し、日本でも今まさにパートナーマーケターを置く企業が増えつつあります。従来型の直販営業だけでは得られない非連続な成長を可能にするには、パートナー企業とのWin-Winな仕組みづくりが欠かせません。その推進役であるパートナーマーケターは、企業のエコシステム戦略を支えるキーパーソンとして今後ますます存在感を増していくでしょう。 他社と手を取り合い新たな価値を創造できる人にとって、パートナーマーケターという仕事は非常にやりがいのあるフィールドです。パートナーと共に自社の事業成長に大きな可能性をもたらす―そんなエキサイティングな挑戦を担うパートナーマーケターは、これからの時代に不可欠な役割と言えます。共創の波が加速する現在、「パートナーマーケター」という選択肢をぜひキャリアや組織戦略に取り入れてみてはいかがでしょうか。

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2024.08.05
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