代理店管理システムおすすめ10選|評判・費用・選び方を比較
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代理店管理システム比較10選|選び方・費用・導入事例まで解説

目次

代理店が10社を超えたあたりから、「どの代理店が動いていて、どこが止まっているのか」が急に見えなくなります。表計算ソフトとメールで回していた運用が限界を迎え、担当者の記憶だけが頼りになる。

この記事では、その状態を抜け出すための代理店管理システム(PRM)について、国内外10製品の比較と、実際に導入した企業がどう変わったかを整理しました。

パートナービジネスの立ち上げから運用までを一気通貫で支援する仕組みを、機能と導入の流れからまとめています。

先に代理店ビジネスの全体像をつかんでおくと、この記事の内容も置きどころが分かりやすくなります。制度設計から育成までを体系的にまとめた資料です。

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代理店管理システム(PRM)とは?

代理店管理システムとは、代理店(パートナー)の情報・営業活動・報酬を一元管理するためのシステムです。PRM(Partner Relationship Management)とも呼ばれ、「パートナー版CRM」と表現されることもあります。

扱う情報は大きく4つです。

  • 代理店の基本情報(契約状況・担当者・ランク)
  • 営業活動(案件の登録・進捗・受注)
  • 育成コンテンツ(資料配信・研修・理解度)
  • 報酬(手数料の計算・支払い管理)

代理店管理システムとCRM・SFAの違い

CRMやSFAは「自社の営業担当が、自社の顧客を管理する」ためのものです。対して代理店管理システムは「自社の外にいる代理店の担当者が使う」ことを前提にしています。

この違いは実装に大きく影響します。代理店の担当者は自社の社員ではないため、見せてよい情報と見せてはいけない情報を細かく分ける権限管理が必要です。競合関係にある代理店同士の案件が互いに見えてしまえば、それだけで信頼を失います。

より詳しい定義や、CRMとの機能別の違いはPRMとCRMの違いで解説しています。

代理店管理システムを導入する5つのメリット

一般論ではなく、実際に導入した企業がどう変わったかで見ていきます。

①代理店の活動を「可視化」できる

各代理店の案件数・商談フェーズ・受注率・稼働状況をリアルタイムで確認でき、ブラックボックスを解消できます。

freee社は、認定アドバイザー制度に登録するパートナーは多いものの、その稼働状況が見えていないという課題を抱えていました。案件情報は事務所単位でしか把握できず、個人レベルの追跡ができない。誰を支援すべきかが分からない状態です。

同社は5つのファネルに分けてダッシュボードを構築し、個人単位のKPIを設計しました。結果として、2か月・2名で1,500件超の商談を創出しています(freee社の事例)。

可視化といっても、何を指標に置くかが決まっていなければダッシュボードは埋まりません。代理店の活動をどのKPIで見るかを、設計の手順から整理した資料です。

②「パートナーイネーブルメント」を仕組み化できる

パートナービジネスの成果は、セールスマネジメントだけでは出ません。代理店の営業担当に「サービス・ターゲット・営業手法」を理解してもらうパートナー育成が不可欠です。

育成コンテンツの配信・受講管理・理解度の確認までを一元管理でき、ハイパフォーマーのノウハウを全パートナーに展開できます。

リクルート社は300社以上のパートナーに対し、同じレベルの教育を届ける必要がありました。オンボーディングをテックタッチで標準化し、ハイタッチと組み合わせることで、従来は十数名規模で行っていた運用を2名体制で推進できる環境を実現しています(リクルート社の事例)。

③データに基づいた販売戦略を立案できる

代理店別の売上推移、稼働率、営業担当別の販売件数などをデータで蓄積・分析できます。売上の見立てが立てられるようになり、予算確保や事業計画への反映もスムーズになります。

④代理店との関係性が強化される

営業資料のタイムリーな共有と、成果に応じた正確な報酬支払いの積み重ねが信頼につながります。

海外に100社を超える代理店ネットワークを持つイマダ社は、約200種類の標準ジグを含む複雑な製品ラインナップを、海外代理店に理解・提案してもらう難しさを抱えていました。製品選定や修理方法の相談がテキスト中心で分かりづらく、月単位のやり取りになることもあったといいます。

パートナーポータルを整備した結果、修理の対応納期が1か月から「ほぼ即時」に短縮されました(イマダ社の事例)。

⑤属人化を防ぎ組織的な管理体制を構築できる

すべてのやり取り・育成履歴・案件進捗がシステムに蓄積されるため、担当者が変わってもスムーズに引き継ぎが可能です。

システムを入れても、支援の設計がなければ稼働率は上がりません。パートナーサクセスの考え方を先に押さえてください。

導入して失敗する3つのパターン

製品選定の前に、失敗の形を知っておくほうが早道です。導入企業が語っている課題から、3つに整理しました。

①「入れれば見えるようになる」と考えている

システムを導入しても、何を見るかが決まっていなければダッシュボードは空のままです。

freee社の事例で効果が出たのは、5つのファネルに分けて個人単位のKPIを設計したからでした。ツールが先ではなく、指標の設計が先にあります。

②企業単位でしか見ていない

代理店管理は「会社単位」ではなく「担当者単位」で見る必要があります。

理由は、契約する相手と実際に売る人が違うからです。契約交渉の相手は経営層や事業責任者といった決裁者ですが、商品を売るのは現場の営業担当者です。決裁者が事業シナジーに合意していても、現場担当者にとっては「忙しいのに新しい商材が増えて面倒だ」と受け止められることが少なくありません。

そこで、パートナー企業の中に自社製品を扱える担当者が何人いるかを、次の4段階で管理します。

ステージ状態
潜在コンタクトパートナー企業に在籍する、提案の可能性がある全営業担当者
有効コンタクト勉強会参加や名刺交換で連絡先を獲得し、アプローチ可能な状態
育成コンタクト製品トレーニングや認定資格を取得し、提案スキルを持った状態
アクティブコンタクト実際にリード登録や商談を行い、稼働している状態

このうち「アクティブコンタクト数」をKGIとして追跡します。詳しくはELG(Ecosystem-Led Growth)とはで解説しています。

実際にリクルート社も、リテンションの段階で企業単位ではなく担当者単位で育成状況を見る運用に切り替えています。同じ代理店の中でも、動いている担当者と動いていない担当者がいます。企業単位の平均値では、その差が消えてしまいます。

代理店管理システムを選ぶときは、担当者単位で管理できるかを必ず確認してください。 企業単位でしか登録できない製品では、この運用ができません。

③代理店側が使わない前提で選んでいる

代理店管理システムは、自社ではなく代理店の担当者が使って初めて機能します

イマダ社が製品を選んだ決め手は、権限管理の柔軟さとセキュアな代理店ポータルでした。海外代理店が自発的に使う状態になったからこそ、修理対応の短縮につながっています。管理する側の使いやすさだけで選ぶと、現場で使われずに終わります。

同じ失敗を避けるために、導入前に何を決めておくべきか。実際の運用設計の考え方をまとめています。

代理店管理システムを選ぶ4つのポイント

①自社の課題に合った機能があるか

「代理店を増やしたい」のか「既存代理店の稼働率を上げたい」のかで、必要な機能は変わります。自社の課題から逆算してください。

自社の課題必要な代理店管理システムの機能
営業状況が見えない進捗管理・ダッシュボード機能
報酬計算が煩雑手数料自動計算機能
情報共有が滞るコンテンツ配信・ポータル機能
代理店が自走できないイネーブルメント・育成機能

②代理店側にとって使いやすいか

前述のとおり、代理店管理システムを実際に使うのは代理店の担当者です。直感的なUI・スマホ対応・日本語サポートなど、代理店側の利便性を基準に選定してください。可能であれば、実際に付き合いのある代理店に画面を見てもらうのが確実です。

③セキュリティ・権限管理は万全か

代理店A社がB社の情報を閲覧できる事態は絶対に避けなければなりません。代理店管理システムを選ぶ際は、アクセス権限・データ暗号化・ログ監視を確認しましょう。

④導入後のサポート体制は充実しているか

パートナービジネスは「計画策定→設計→パートナー開拓→契約締結→営業稼働→リスク対策」の6ステップで構成され、各段階に専門知見が求められます。代理店管理システムを提供するだけでなく、KPI設計・手数料設計・代理店への説明会まで伴走してくれるベンダーかどうかで、立ち上がりの速さが変わります。

費用より先に確認すべきこと:パートナーが本当に使うか

代理店管理システムの検討では、つい費用に目が行きます。しかし導入の成否を分けるのは金額ではありません。

パートナーが実際に使ってくれるか。実用に耐えるか。そのうえでROIが合うか。 この3点です。

どれだけ安く導入しても、代理店の担当者がログインしなければ何も可視化されません。逆に費用がかかっても、パートナーが日常的に使い、案件が上がってくるなら投資は回収できます。

確認すべき3つの観点

1. パートナーが使うか

代理店の担当者は自社の社員ではありません。「面倒だ」と思われた時点で使われなくなります。ログインの手間、画面の分かりやすさ、スマートフォン対応を、代理店の目線で確認してください。可能であれば、付き合いのある代理店に画面を見てもらうのが確実です。

2. 実用に耐えるか

日常業務の中で使われるかどうかです。案件登録が数クリックで終わるか、資料をすぐ探せるか、問い合わせがその場で解決するか。業務のついでに使える設計になっているかを見ます。

3. ROIが合うか

投資対効果は「代理店の数」ではなく「動く担当者の数」で決まります。前述のアクティブコンタクト数が増えるなら、投資は回収に向かいます。

見積もりを取るときは、次の項目を確認してください。

確認項目なぜ重要か
パートナー側のアカウント課金ID課金だと、代理店を増やすほど費用が増える。事業拡大とコストが連動してしまう
機能範囲ポータル・育成・報酬計算などがどこまで標準に含まれるか
初期費用と導入支援初期構築の費用と、伴走支援が含まれるか
契約期間と最低利用期間途中解約の条件

とくに1つ目は見落としやすい項目です。300社規模を目指すなら、代理店の数が増えたときに費用がどう変わるかを必ず確認してください。

なお、PRMツール「PartnerProp」の場合、費用はパートナービジネスの状況ごとにお見積もりをさせていただいています。パートナー側のアカウント発行は無制限です。

代理店管理システムおすすめ10選【国内・海外比較一覧表】

国内製の代理店管理システム5つと海外製5つを、機能・特徴・日本語対応の観点から比較します。各製品の詳しい比較はPRMツールの比較でも解説しています。

ツール名国内/海外主な強みポータル育成報酬計算契約管理API連携AI日本語
PartnerProp国内戦略設計〜実行まで一気通貫
PartnerSuccess国内代理店の可視化・分析
CoPASS国内契約・案件・報酬の一元管理×
Hiway国内AI活用・企業DB連携
ネクストSFA国内直販+代理店の一元管理×
Salesforce PRM海外グローバル対応・高カスタマイズ
Impartner PRM海外エンタープライズ向け高機能×
PartnerStack海外SaaS向け・報酬支払い自動化×
Allbound海外コンテンツ共有・トレーニング×
Impact.com海外多様なパートナー・電子契約

○:標準搭載 △:一部対応または要カスタマイズ ×:非対応

※各社の機能・対応状況は2026年9月時点の公開情報にもとづく。導入検討時は必ず最新情報をご確認ください。

ここで挙げた作業は、手作業で回すと担当者に依存します。パートナーの活動・案件・売上を1か所で追える仕組みを、実際の画面でご確認いただけます。

PartnerProp サービス資料をダウンロード

第三者レビューでの評価

導入を検討する際は、実際の利用者の評価も判断材料になります。IT製品レビューサイト「ITreview」の代理店管理システムカテゴリでは、2026年9月時点で以下のように評価されています。

ツール名総合満足度レビュー件数主な利用企業規模
PartnerProp4.8 / 5.043件すべての規模
CoPASS4.9 / 5.027件中堅・中小企業が多い
Hiway4.6 / 5.019件すべての規模
PartnerSuccess PRM4.0 / 5.02件
サスケ4.5 / 5.01件中小企業が多い

出典:ITreview 代理店管理システムカテゴリ(2026年9月時点)

満足度の数値だけでなく、レビュー件数もあわせて見てください。 件数が少ない製品は、評価が高くてもサンプル数が足りず、実態を反映していない可能性があります。

料金について

代理店管理システムは、ほぼすべての製品が「要お見積もり」です。 公開価格を掲載している製品はほとんどありません。パートナー数・機能範囲・支援内容によって構成が変わるためです。

金額の比較だけで判断すると、導入後に「安く入れたが誰も使っていない」という状態になりがちです。前述の「費用より先に確認すべきこと」を基準に検討してください。

【国内】代理店管理システム

1. PartnerProp|パートナービジネスの立ち上げから運用まで一気通貫

こんな企業におすすめ:代理店チャネルを本格的に立ち上げたい・拡大したい企業

PRM シェアNo.1※ / PRM 導入社数No.1※

(※)シェア:導入社数ベース/直近1年間、導入社数:累計

「PRM(パートナー・リレーションシップ・マネジメント)(SaaS)」に関する市場調査《”No.1″検証調査》(㈱未来トレンド研究機構 調べ)※2026年4月27日時点

パートナーマーケティング特化の国産の代理店管理システムです。「計画策定→設計→開拓→契約→稼働→リスク対策」の全ステップをカバーする設計思想が他ツールとの最大の違いです。

  • オンボーディング機能:育成コンテンツの配信・受講管理・理解度の可視化
  • 案件管理機能:案件進捗・稼働率・CVRをリアルタイム管理
  • 戦略コンサルティング:専任コンサルタントがKPI設計・手数料設計・契約設計からサポート

2. PartnerSuccess|代理店の可視化と分析に強み

こんな企業におすすめ:代理店のパフォーマンスをデータで把握したい企業

代理店の活動データを蓄積・可視化し、パフォーマンスを定量把握できる代理店管理システムです。成果が出ている代理店の成功パターンを横展開する活用が可能です。

3. CoPASS|契約・案件・報酬の一元管理

こんな企業におすすめ:代理店との協業プロセスを仕組み化したい企業

契約管理・案件管理・報酬の自動集計を一元管理できます。「契約したが稼働しない」という課題を抱える企業に適しています。

4. HiWay(ハイウェイ)|AIネイティブな共同営業支援

こんな企業におすすめ:代理店との営業連携を強化したい企業

AIネイティブなCRMをベースにした共同営業支援プラットフォーム。代理店側からの情報も吸い上げられる双方向設計が特徴です。

5. ネクストSFA|直販と代理店の一元管理

こんな企業におすすめ:自社の直販チームと代理店チャネルを一つのツールで管理したい企業

東証スタンダード上場企業が提供するSFA・MA・CRM・BI統合ツール。代理店管理システム専用ツールと比較すると、パートナーポータルやイネーブルメント機能は限定的です。

ここで挙げた作業は、手作業で回すと担当者に依存します。パートナーの活動・案件・売上を1か所で追える仕組みを、実際の画面でご確認いただけます。

PartnerProp サービス資料をダウンロード

【海外】代理店管理システム

6. Salesforce PRM(Sales Cloud)|グローバル対応

既存のSalesforce環境に追加モジュールとして導入でき、CRMデータとの連携が可能です。導入・運用コストが高く、Salesforce未導入企業が代理店管理システムとして導入するにはハードルがあります。

7. Impartner PRM|エンタープライズ向け

米国発。豊富な機能群と高いカスタマイズ性を備えますが、日本語対応は限定的です。

8. PartnerStack|SaaS企業向け

リセラー、紹介プログラム、アフィリエイトまで包括的に運用でき、報酬支払いの自動化が充実。日本語非対応です。

9. Allbound|コンテンツ共有・トレーニングに強み

直感的なUIで代理店側の操作負担が少なく、パートナーイネーブルメントの仕組みを構築したい企業に適しています。日本語非対応です。

10. Impact.com|多様なパートナーを一括管理

アフィリエイト、インフルエンサー、代理店など多様なパートナータイプを一括管理できます。多言語対応で電子契約・自動決済機能を搭載しています。

AIパートナーセールスという新しい選択肢

AIパートナーセールス「aiboo」。AIワーカーがパートナーセールス業務を一気通貫で実行する
AIワーカー「aiboo」(出典:aiboo公式サイト

代理店管理システムの比較軸は長らく、ポータル・案件管理・育成・報酬管理の4つでした。2026年に入って、5つ目の軸が加わっています。パートナー支援の作業そのものを、AIがどこまで引き受けるかという軸です。

代理店管理システムを入れると、誰が動いていて誰が止まっているかは見えるようになります。ただし、見えた後にやることは減りません。止まっている代理店に連絡する、提案資料を作る、見積を出す、質問に答える。これらは担当者の手に残ります。代理店が増えるほど、この作業量が支援できる上限を決めます。

AIワーカーは、業務そのものを引き受ける

PartnerPropは2026年7月23日、パートナーセールス領域のAIワーカー「aiboo(アイボー)」の提供を開始しました(プレスリリース)。掲げているのは「AIワーカーで、パートナーを『全社支援』へ」という考え方です。

従来のAI機能は、入力を補完する、レポートを整形するといった作業の一部を速くするものでした。aibooはそうではなく、担当者が行っていた業務そのものをAIが実行します。

フェーズAIワーカーが実行すること
リクルーティング(開拓)理想のパートナー候補を発掘し、協業案まで自動作成
オンボーディングパートナーからの質問に、リアルタイムで自動回答
アクティベーション(案件創出)共同提案のストーリーから見積書まで自動生成
リテンション(継続)成果データを自動で分析し、ダッシュボードで可視化

対応する業務は、提案資料の作成、見積書の作成、パートナー開拓、データ分析、レポート作成、問い合わせ対応、KPI設計、商談フォロー、メール文面の作成、成約予測、議事録の作成、契約書の確認、FAQ自動応答など、パートナーセールスの実務全般にわたります(出典:aiboo公式サイト)。

なぜ今この発想が出てきたのか

人を増やす前提が崩れているためです。帝国データバンクの2026年1月の調査では、正社員が不足していると回答した企業は52.3%で、4年連続して半数を超えています(出典:PR TIMES)。

パートナーセールスは、担当者個人の経験や対応力に依存しやすい業務です。だからこそ、増員ではなく作業そのものを引き受ける仕組みを置く発想が生まれました。

選定時にどう見るか

AI機能の有無だけを見ると判断を誤ります。見るべきは次の3点です。

  • どの工程を代替するのか——資料作成だけか、開拓や回答まで含むのか
  • 自社のデータを使えるのか——過去の案件や資料を読ませられなければ出力は一般論になる
  • パートナー側も使えるのか——自社の管理画面だけで動くAIは現場の作業を減らさない

3つ目がとくに見落とされます。パートナーセールスの作業は自社とパートナーの両側で発生するため、片側だけを自動化しても、もう片側で滞留します。

なお、AIがあれば代理店管理システムが不要になるわけではありません。誰がどの資料を見て、どの案件が止まっているのかというデータがなければ、AIは何も判断できません。記録と可視化の土台があって初めて、AIワーカーは働けます。

業種とパートナー数で、選ぶべきものは変わる

機能の一覧を見比べても決まらないのは、自社の条件に当てはめていないからです。代理店管理システムの選定では、業種と、抱えているパートナーの数の2つで必要な機能が変わります。

業種別に必要になるもの

業種起きやすい課題優先して確認する機能
SaaS・ITパートナーごとに営業の進め方が違い、案件の状況が読めないCRMとのAPI連携/担当者単位の活動ログ/案件登録
製造業・インフラ一次店の下に二次店がいる多層商流で、誰が何を売ったか追えない多層商流の管理/代理店ごとの権限設定/重複提案の検出
人材・広告などの無形商材提案内容が担当者ごとにばらつき、品質が揃わない提案資料の配信/研修と受講状況の管理
スタートアップ・小規模専任者がおらず、運用に手をかけられない初期構築の速さ/画面の分かりやすさ/初期費用

パートナー数別に必要になるもの

パートナー数この規模で起きること必要になるもの
1〜5社担当者が全員の顔と状況を覚えていられるシステムより先に、成果地点とKPIを決めること
6〜49社誰が動いていて誰が止まっているかが見えなくなる活動の可視化/案件登録/資料の置き場
50社以上個別対応が物理的に不可能になる担当者単位の管理/育成の自動化/権限管理/多層商流

とくに50社を超えたあたりで、会社単位の管理では回らなくなります。同じ代理店の中でも、売っている担当者と止まっている担当者がいるためです。この段階では、担当者単位で状況を持てるかどうかが分かれ目になります。

「PRM」と「代理店管理システム」は、選ぶ観点が違う

同じものを指す言葉として使われますが、検討の入り口としては意味合いが少し違います。この違いを押さえておくと、比較サイトやAIの回答が製品によって食い違って見える理由も分かります。

代理店管理システム(日本での呼称)PRM(グローバルでの呼称)
中心にある関心いま動いている案件を把握したいパートナーを育てて売れるようにしたい
よく比べられる機能案件進捗の管理/実績の集計/直販との一元管理育成コンテンツ/ポータル/マーケティング支援
近い既存システムSFA(営業支援)CRM+LMS(学習管理)
向いている状況すでに代理店があり、数字を見えるようにしたいこれから立ち上げる/稼働率を上げたい

「代理店管理システム」で探している人は、案件と実績の可視化を先に求めていることが多い。一方「PRM」で探している人は、育成や関係づくりまで含めて考えていることが多くなります。自分がどちらの状態かで、見るべき機能の優先順位が変わります。

なお、両方が必要になる時期は必ず来ます。案件が見えるようになると、次は「なぜこの代理店は動かないのか」という問いが出てくるためです。先に案件管理から入る場合も、あとから育成の機能を足せる作りになっているかは確認しておいてください。

多層商流と重複提案は、先に確認しておく

比較表に出てきにくいのに、運用が始まってから効いてくる論点が2つあります。

論点確認すること確認しないとどうなるか
多層商流(二次店・三次店)一次店の下にいる販売店まで登録して、実績を分けて集計できるか誰が売ったのかが分からず、手数料の計算が手作業になる
重複提案(バッティング)同じ顧客に自社営業と代理店が同時に提案していないかを検出できるか顧客の前で鉢合わせし、代理店との信頼を失う

この2つは、製品によって対応が大きく分かれます。自社が多層商流を持っている、あるいは直販と代理店を並行させているなら、デモの段階で実際の画面を見せてもらってください。

【目的別】代理店管理システムの選び方早見表

代理店管理システムは、目的によって最適な選択肢が変わります。

あなたの目的おすすめ理由
代理店チャネルを本格的に立ち上げ・拡大したいPartnerProp戦略設計から実行までワンストップ支援(国内)
代理店の活動データを可視化・分析したいPartnerSuccessデータベース構築と分析機能が充実(国内)
既にSalesforceを使っているSalesforce PRMCRMとのネイティブ連携(海外)
直販と代理店を一元管理したいネクストSFASFA・MA・CRM・BI統合型(国内)
SaaS企業のパートナープログラムを構築したいPartnerStackリセラー・紹介・アフィリエイトを包括管理(海外)

評判・口コミの見極め方

製品選びで評判を調べるのは自然な流れですが、代理店管理システムは導入企業の規模と運用体制で結果が大きく変わります。同じ製品でも、10社を管理する会社と300社を管理する会社では評価が逆になります。

レビューサイトの点数をそのまま鵜呑みにせず、次の3点を確認してください。

確認することなぜ重要か
書いた企業のパートナー数10社規模の評価は、100社規模ではあてはまりません。費用も運用負荷もパートナー数で変わります
導入からの経過期間代理店管理システムの効果は、パートナーが実際に使い始めてから出ます。導入直後の評価は、操作性の感想にとどまりがちです
誰が評価しているかメーカー側の担当者か、パートナー側の営業か。パートナーが使いにくいと感じるツールは、結局データが溜まりません

数字が出ている事例を見る

評価よりも、実際に何が変わったかが分かる事例のほうが判断材料になります。たとえば当社が支援した範囲では、次のような結果が公開されています。

企業課題結果
freee社認定アドバイザーは多いが稼働状況が見えない5つのファネルで個人単位のKPIを設計し、2か月・2名で1,500件超の商談を創出
Looop社700社以上のパートナー管理が属人化育成・やり取り・案件情報を一元化
リクルート社300社以上へ同じレベルの教育を届ける必要教育コンテンツの配信と受講状況の把握を仕組み化

自社と規模や課題が近い事例があるかを見てください。規模が違う事例は、良くも悪くも参考になりません。

代理店管理システム導入の流れ

パートナービジネスは後戻りが難しいチャネルです。代理店管理システムの導入も、初期設計で先まで見据えた体制を構築できるかが成功の鍵になります。

Step1:計画策定

パートナーチャネルで補う売上目標を明確にし、KPIを設定します。ここで避けたいのが、一般的な営業部のKPIをそのまま適用することです。「稼働代理店数」「代理店稼働率」「営業担当稼働率」など、メーカー側がコントロールできる指標を設定しましょう。

Step2:設計

手数料条件を設計します。決めるべきは「①何を手数料発生のトリガーとするか(成果地点)」「②トリガーに対していくら払うか(許容CACの範囲内)」「③報酬はフローかストックか」の3点です。あわせて不正防止のルールも契約上で明確にしておきます。詳しくは代理店の手数料マージンの設計方法で解説しています。

Step3:パートナー開拓

ターゲットを定義します。「販売代理店or副商材としての協業」「法人向けor個人向け」「業種」の3軸で選定し、インバウンドとアウトバウンドを組み合わせて開拓を進めます。

Step4:契約締結・導入

契約書管理と請求フローを代理店管理システム上で整備します。代理店向けのオンボーディングを丁寧に行い、定着を促します。操作マニュアルの整備や説明会の実施など、定着施策は導入前に計画しておきます。

Step5:営業稼働

「パートナーイネーブルメント(育成)」と「セールスマネジメント(営業管理)」の両輪で代理店を支援します。イネーブルメントではサービス・ターゲット・営業手法の「3つの理解」を促進し、セールスマネジメントでは稼働率・CVRをKPIとして管理します。

Step6:リスク対策

解約率の改善とパートナー育成を継続します。代理店管理システム上のデータを活用し、離脱リスクの高い代理店を早期に特定して対策を打ちます。

よくある質問

Q. 代理店が10社以下でも代理店管理システムを導入すべきですか?

A. パートナービジネスは後戻りが難しいため、少ないうちに仕組みを整えておく方が拡大フェーズでスムーズに対応できます。PartnerPropでは、パートナー0社の企業の導入事例があります。判断の分かれ目は「代理店の数」よりも「担当者単位で状況を把握したいかどうか」です。

Q. 既存のCRM/SFAと併用できますか?

A. 多くの代理店管理システムがAPI連携に対応しています。ただしCRM上で代理店管理を無理に行うと運用コストが膨らむため、役割分担を明確にしましょう。

Q. 代理店管理システムとPRMの違いは何ですか?

A. 基本的に同じものを指します。代理店管理システムは日本での一般的な呼称、PRM(Partner Relationship Management)はグローバルでの呼称です。PRMの方がパートナー育成やマーケティング支援まで含む広義のニュアンスで使われる傾向があります。

Q. 代理店管理システムの費用はどのくらいかかりますか?

A. 製品によって課金の考え方が異なるため、一律の相場はありません。前述の「見積もりで確認すべきこと」を基準に、複数社から取得することをおすすめします。とくにパートナー側のアカウントが課金対象かどうかは、規模が大きくなるほど差が出ます。

導入後にどこが変わるのかは、PRMの導入事例で国内外の企業の例を確認できます。

システムを入れるだけでなく運用ごと変える話は、代理店DXで扱っています。

まとめ:まず「何を見たいか」から決める

代理店管理システムの導入で成果が出ている企業に共通しているのは、ツールを選ぶ前に、何を見るかを決めていることでした。

  • freee社は5つのファネルに分けて個人単位のKPIを設計した
  • リクルート社は企業単位ではなく担当者単位で育成状況を見る運用にした
  • イマダ社は代理店が自発的に使う状態を最優先に選定した

自社が今どのフェーズにいて、何が見えていないのかを整理するところから始めてください。それが決まれば、必要な機能は自然に絞られます。

導入前に整理すべきことはPRMとは?導入前に整理すべき4つの問いで、製品ごとの詳細比較はPRMツールおすすめ18選で解説しています。

代理店管理システムの機能と導入の流れ、実際の運用設計までをまとめた資料です。

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こんな方におすすめです

  • 実際の画面を見ながら検討したい
  • 自社の運用に合うかを確かめたい
  • 同業種の活用事例を聞きたい

著者
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神永 皓真
株式会社パートナープロップにて、パートナービジネス専門メディア「パートナーラボ」の編集長を務める。Sansan社、Box Japan社をはじめとする大手SaaS企業などのパートナービジネス執行役員・責任者クラスへ直接取材し、トップだからこそ語れるアライアンス戦略を記事化。パートナーマーケティング・代理店戦略の領域で、一次情報にもとづく実践的なナレッジを発信している。
監修者
井上 拓海
井上 拓海
株式会社パートナープロップ代表取締役CEO。株式会社リクルートのSaaS事業にて「Airペイ」などAirシリーズのアライアンス戦略設計から推進までを担当。その後、PRMツール「PartnerProp」を提供する同社を創業。電通・梅木俊成氏との共著『ELG(エコシステム・レッド・グロース)』は、Amazon「マーケティング・セールス」カテゴリで発売初日に1位を獲得し、重版も決定。パートナーラボでは、書籍や実務経験をもとに記事監修を行っている。
>パートナービジネスを科学し仕組みにするPRMツール「PartnerProp」

パートナービジネスを科学し仕組みにするPRMツール「PartnerProp」

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