PRMとCRMはどちらも、顧客との関係性を構築し、維持するためのツールですが、その使い方や目的は異なります。今回は、PRMとCRMの違いについて解説していきます。
PRMとは
PRM(Partner Relationship Management)は、企業がパートナー企業との関係を強化するために使用するソフトウェアプラットフォームのことを指します。
パートナー企業とは、代理店やサプライヤー、協力会社などのことで、企業が自社の製品やサービスを提供するために必要な、あらゆる種類の協力関係を指します。
PRMの主な目的は、パートナー企業との協力関係をより効果的に管理し、パートナー企業とのビジネスの成長を促進することです。
PRMを使用することで、企業はパートナー企業とのコミュニケーションを改善し、共同作業を容易にし、ビジネス目標を達成するための資源を最適化することができます。
CRMとは
一方、CRM(Customer Relationship Management)は、企業が顧客との関係を管理するために使用するソフトウェアプラットフォームのことを指します。
CRMは、顧客に関する情報を収集・分析し、顧客との関係を強化するためのマーケティングやセールス戦略を策定するためのツールです。
CRMの主な目的は、顧客との関係を強化することにあります。
CRMを使用することで、企業は顧客の情報を把握し、顧客のニーズや要望に合わせたサービスを提供することができます。
PRMとCRMの違い
PRMとCRMは、いずれも企業のビジネス戦略に欠かせないツールですが、その目的や機能には違いがあります。
まず、PRMは主にパートナー企業との関係を強化するために使用されます。一方、CRMは顧客との関係を強化するために使用されます。
下記にカテゴリー別に違いをまとめてみましたので参考にしてみてください。
目的の違い
CRM:顧客管理、顧客対応の改善、顧客満足度の向上、売上の拡大、顧客ロイヤルティの向上、マーケティングの効果的な実施
PRM:パートナー企業とのコラボレーションの強化、業務効率の向上、顧客に対する提供サービスの充実、新たなビジネス機会の創出、ビジネス拡大
対象の違い
CRM:顧客、潜在顧客、見込み客、一般消費者
PRM:ビジネスパートナー、サプライヤー、ディストリビューター、代理店、リセラー、加盟店
機能の違い
CRM:顧客データの収集、分析、管理、営業支援、マーケティング支援、カスタマーサポート、顧客満足度の向上
PRM:ビジネスパートナーの情報収集、登録、管理、パートナーシップのマネジメント、コミュニケーション支援、協業支援、ビジネスの共創
PRMとCRMの機能の違いとは
PRMの機能
PRMは以下のように、パートナーを管理・マネジメントを行うことに長けています。
パートナー企業の管理
PRMは、パートナー企業の情報を一元管理することができます。パートナー企業の基本情報や契約内容、取引履歴などを一元化し、容易に把握することができます。
パートナー企業とのコミュニケーション支援
PRMは、パートナー企業とのコミュニケーションを支援するための機能を提供します。例えば、パートナー企業からの問い合わせや要望を適切に処理するためのチケット管理機能や、パートナー企業向けの情報発信機能などがあります。
パートナー企業向けの教育・トレーニング支援
PRMは、パートナー企業向けの教育・トレーニング支援を行うための機能を提供します。例えば、製品やサービスの使い方や販売戦略のノウハウなどを提供するeラーニング機能や、セミナーやイベントの情報提供機能などがあります。
パートナー企業の成績評価・報酬管理支援
PRMは、パートナー企業の成績評価・報酬管理を支援するための機能を提供します。例えば、パートナー企業の販売実績を把握するためのレポート機能や、報酬計算機能などがあります。
CRMの機能
顧客情報の管理
顧客の名前や住所、メールアドレス、購入履歴など、顧客に関する情報を管理する機能です。これらの情報を一元的に管理することで、顧客とのコミュニケーションを円滑に行うことができます。
営業管理
販売プロセスの管理や、見込み客からの問い合わせ対応、見積書作成などを自動化する機能です。営業担当者が販売に専念することができ、セールスチームの生産性向上に繋がります。
カスタマーサポート
顧客からの問い合わせやクレームに対応するための機能です。問い合わせ履歴や対応状況を記録することで、顧客対応の品質向上や顧客満足度の向上につながります。
アナリティクス
顧客行動や販売データなどを分析し、ビジネスの改善点や課題を把握する機能です。ビジネス戦略の立案や意思決定の支援に活用されます。