目次
企業が顧客へ提供する価値は、一社だけで完結するものから、それぞれの専門性を持つ企業が連携して実現するものへと変わりつつあります。より大きな価値を届けるために、どのようなパートナーシップを築き、広げていくか。その重要性は、多くの業界で高まっています。
株式会社グローバルトラストネットワークス(GTN)もまた、その考え方を大切にしてきました。外国人の暮らしを支えるには、住まい、通信、生活支援など、さまざまな分野の専門性が欠かせません。だからこそGTNは、自社だけですべてを担うのではなく、パートナー企業とともに、来日前から来日後までを支えるワンストップの支援体制を築いています。
その広がりを支えているのは、単なる代理店制度ではありません。「外国人が安心して暮らせる社会をつくる」という想いへの共感が、新たなパートナーを呼び、紹介が紹介を生む循環を生み出しています。
今回は、GTNの通信事業を担う月川氏と佐藤氏に、パートナービジネスの考え方や、共感から生まれる「紹介の連鎖」の仕組みについて伺いました。
「卵が先か、鶏が先か」の従来の課題を解決する、来日前から始まるGTNのワンストップの支援
ーGTN様のサービス内容について教えてください。

参照:https://www.gtn.co.jp/business/mobile-internet
月川 :外国人の方が日本にいらっしゃった際に、最初に直面するのが「住まい」と「通信環境」の問題です。
SIMカードを契約するためには、住所の提出が求められます。一方で、住居を契約するためには電話番号が必要です。こうした「卵が先か、鶏が先か」のような状況が日本では実際に発生しています。
GTNでは、このような課題を解決するために、来日前にSIMカードの申し込みや電話番号の発行をする仕組みを整えています。入社手続きや各種契約にも電話番号が求められるケースが多く、早いタイミングで番号を確保できる点は、大きな価値になっていると思います。
また、音声SIMについては、法務省のガイドラインに基づき、本人確認・住所確認を適切に実施した上で提供しており、法令遵守も徹底しています。決済面も特徴の一つです。大手キャリアではクレジットカードや銀行口座が必須になるケースが多い一方GTNではコンビニ払いにも対応しています。日本に来たばかりで決済手段が限られている外国人の方でも、安心して契約いただける環境を整えています。
私たちが目指しているのは、通信サービスそのものを提供することではありません。住まいや通信、金融、教育・就労、生活・医療といった暮らしの課題を解決し、外国人の方が日本で安心して生活を始められる環境をつくることです。通信は、そのための大切な入口の一つだと考えています。それぞれの分野で専門性を持つパートナーと連携しながら、暮らし全体をワンストップで支えられることが、GTNの強みです。
シェアNo.1を目指して始めたパートナービジネス。その壁となった「属人化」
ーGTN様がパートナービジネスに注力してきた理由を教えてください。
月川:私たちから来日される方一人ひとりに直接アプローチする方法では、どうしても限界があります。より多くの外国人の方へサービスを届けるためには、私たちだけでなく、さまざまなパートナーと連携が不可欠です。その戦略を積み重ねることで、外国人向けSIMでNo.1を目指してきました。 GTNでは創業当初から保証事業を通じてパートナーとの連携を進めてきましたが、 通信事業においても、この考えのもと9年前からパートナービジネスに取り組んでいます。
ー現在パートナービジネス領域で取り組んでいることをお聞きしてもよろしいでしょうか。
月川:現在はPRMツール「PartnerProp」を使って、案件管理などの属人的になりがちだった情報を全員で共有することに注力しています。「特定の担当者がいないと案件の進捗がわからない」という状況を避け、これまで以上に上手く連携しながらパートナー様をサポートしていきたいですね。同時に、パートナー様の募集も行なっています。今後は会社をあげてパートナービジネスをさらに拡大させていく予定です。

パートナーのサービス価値を広げるGTNのエコシステム
ーパートナーを募集しているとのお話がありましたが、GTN様のパートナーになるメリットについても教えていただけますでしょうか。
月川:最大のメリットは、パートナー様自身のサービス価値を広げられることだと考えています。例えば、人材会社やリロケーション会社の本来の役割は、「人を紹介すること」や「住まいを案内すること」です。しかし、実際に外国人の方が日本で生活を始める際には、通信・住居・インターネット・日常生活などにおいて、さまざまな課題に直面します。
そこで、GTNとのパートナーシップが役立ちます。GTNのサービスを「提供サービスの一つ」として加えていただくことで、パートナー様は「住まいも携帯もインターネットもまとめてサポートできます」と提案できるようになります。「1つのサービスを提供する会社」から、「外国人の生活立ち上げ全体を支援できる会社」へと提案の幅を広げられる。ここはパートナー様にとって非常に大きな価値になると思います。
また、GTNの特徴は、ご紹介いただいて終わりではないことです。契約後のお問い合わせやトラブル対応までGTNが責任を持って対応するため、パートナー様が対応を引き継ぐ必要はありません。24時間365日・多言語でサポートを行っているため、パートナー様は安心してご紹介いただけますし、お客様にも高い満足度を提供できます。
ー紹介後のカスタマーサポートをGTNが行ってくれるとなると、パートナーの紹介のハードルはかなり下がりますね。
そうですね。加えて、私たちは単純な価格競争ではなく、「外国人の方が安心して日本で生活を始められる環境をどうつくるか」を大切にしています。そのため、商材を販売するための関係ではなく、一緒にサービス価値をつくり、外国人の暮らしを支える仕組みを広げていくことを目指しています。
“紹介が紹介を生む”のは、単なる代理店制度ではなく「思想」に共感が集まっているから
ーパートナーとの出会いはどのようなチャネルが多いのでしょうか。
月川:私たちのパートナービジネスは「パートナー様が次のパートナー様を連れてくる」という形で広がってきました。例えば、半年かけて関係を構築したパートナー企業の担当者の方が独立された際に、今度はご友人の勤めていらっしゃる送り出し機関をご紹介いただいたこともあります。単に「パートナー制度があるから紹介される」というわけではなく、サービスやミッション、日々の関係性に共感していただいた結果として、自然と横に広がっていった感覚です。
ー既存のパートナーに信頼されているからこそ、紹介していただけるわけですね。
佐藤:そうですね。外国人向け通信サービスは今でこそ大きな市場になっていますが、以前はかなり特殊な領域でした。当初は市場そのものが珍しく、口コミや紹介で広がることも多くありました。
しかし、市場が成熟してくると競合他社が現れ、比較されるようになってきます。そのため、「普通のキャリアショップでいいのでは?」という疑問に、GTNならではの答えをしっかりと伝えていく必要が出てきました。
現在、私たちが目指している「外国人の方が安心して日本で生活できる環境をつくる」という考え方を、パートナー様にも丁寧にお伝えしています。 これはGTNのMVVにもつながる考え方です。
通信だけを切り取れば、価格で比較されることもあります。しかし、住まいや生活支援、多言語サポートまでを含めた外国人の暮らし全体、さらには私たちが目指す社会の姿まで含めて見ていただくことで、GTNならではの価値を感じていただけると考えています。
私たちは、「点」のサービスではなく、外国人の暮らし全体を支える「面」の価値を提供したい。そして、その価値をGTNだけで実現するのではなく、パートナーの皆さまとともに広げていきたいと考えています。その考え方に共感いただけるからこそ、パートナー様から新たなパートナー様をご紹介いただけるのだと思います。

ーGTN様のエコシステムはパートナービジネスの理想形ですね。最初のパートナー開拓はどこから始まったのでしょうか。
月川:パートナー様との最初の出会いは日本語学校でした。都内には多くの日本語学校がありますが、ここが来日される方が最も集まる場所です。入学オリエンテーションや来日前の案内で「GTNのサービスをご紹介いただけませんか」と営業したのが始まりです。
しかし、学校側からは「生徒の契約で手数料を受け取ることは、生徒支援という立場からするとあまり印象がよくないのではないか」というご意見をいただきました。
そこで私たちは「どうすれば学校にとって紹介しやすい仕組みになるか」を一緒に考えました。 代理店に還元するモデルに加え、利用者に還元するモデルも用意し、後者では、学校を通じて契約した生徒が契約時に割引を受けられる仕組みにしました。これであれば、学校側も「生徒支援の一環」として安心してご紹介できます。
単に販路を広げるのではなく、「相手にとって紹介しやすい形は何か」「どうすれば一緒に価値を届けられるか」を考えながら仕組みを設計してきました。その積み重ねが、現在のパートナーの広がりにつながっていると思います。
ー話を聞いている中で、利用者自身が貴社のサービスを広めていくケースもあるのではないかと感じたのですが、その点はいかがでしょうか。
月川:個人でGTNモバイルをご契約いただいた方が、受け入れ先の担当者から「どこで契約したの?」と聞かれて、「GTNモバイルですよ」と紹介してくださるケースはありますね。利用者の満足度が、そのまま次の顧客接点につながった形です。
佐藤:パートナービジネスに取り組む中で、「一番強い紹介者は、サービスを本当に好きになってくれた人である」ということを改めて実感しましたね。
採用でも似たような事例があります。つい最近入社した韓国人社員もGTNの元ユーザーですが、「来日時に大変お世話になったので、今度は自分が、同じような理由で困っている方をお手伝いしたい」とのことでした。
先ほどお話しした通り、GTNは「外国人の方が安心して日本で暮らせる体験」そのものを提供することを目指しています。その体験の満足度と、私たちが目指す社会への共感が、パートナー・利用者・採用、すべてにつながっているということです。
GTNのパートナービジネスは単なる代理店網ではなく、共感した人が次の紹介者となり、その輪が少しずつ広がっていく。そんな「共感と紹介の連鎖」によって成長してきたのだと感じています。
GTNの想いを語れるパートナーを増やしていきたい
ー現在のパートナービジネスの課題と、今後目指していきたい理想像について教えてください。
佐藤:これからの課題は、GTNのサービスだけでなく、その背景にある想いや価値まで伝えられるパートナー様を増やしていくことですね。パートナーの皆様にも、「なぜこの支援が必要なのか」「なぜGTNなのか」まで営業の中で語っていただけるようになれば、さらに大きな輪を広げていけると思っています。
また、私たちは全国をGTN一色にしたいとは考えていません。地域には地域に根ざした企業や産業があり、その強みはこれからも大切にされるべきだと思っています。
例えば、地域密着型の人材会社様って全国各地にありますよね。そうした企業様が、地元の事業を続けながら、新たに外国人支援という領域に安心して踏み込めるように、私たちが裏側を支える。そのような役割を担っていきたいと考えています。
だからこそ、単に「商材を売ってください」ではなく、研修や日々のコミュニケーションを通じて、GTNの考え方や目指す社会像をしっかりと共有していただきたいのです。結局、本質的な価値に共感していただけなければ、長期的な関係はつくり出せないと思っています。
一方で、当然ですがパートナー様にとってもメリットがなければ、ビジネスとして成立しません。理念だけでは事業は続きませんし、利益だけ追い求めても信頼関係は続かない。本質的価値とビジネスとしての価値、その両方があってこそ、良いパートナーシップになると考えています。
今後は、パートナー様への教育・支援体制をさらに充実させることと、GTNの認知を広げること、この2つを軸にさらにパートナービジネスを拡大していきたいと思います。
ー今後はどのようなパートナー様を増やしていきたいと考えていますか。
月川:業種自体は幅広く考えています。学校、登録支援機関、人材会社、一般企業など、業種は問いません。ただ、全てのパートナー様に共通して大切にしたいのは、外国人の受け入れに対する姿勢です。
単純にビジネスとして捉えるのではなく、「外国人の方が安心して暮らし、働ける環境をつくりたい」という想いを持ち、外国人一人ひとりの立場に立って親身に考えてくださる企業様と、ご一緒したいと考えています。
佐藤:最終的には、私たちが目指す社会や、その実現に向けた考え方 に共感していただけるかどうかですね。その想いを共有できるパートナー様とともに、日本各地で多文化共生の輪を広げていきたいと思っています。
これからの時代に、GTNが描く「共生社会」

ー最後に、パートナー企業様や読者の皆様へメッセージをお願いします。
佐藤:これからの日本では、外国人の方の活躍はますます欠かせないものになっていくと思います。 特に地方では、既に「外国人の方なしでは産業が成り立たない」という状況も出てきています。だからこそGTNは、地域に根ざした企業様と力を合わせながら、その土地に合った「外国人と共生できる社会」をつくっていきたいと思っています。地元企業様のビジネスを尊重しながら、外国人の方が安心して暮らし、働ける環境を整えていく。パートナーの皆様とともに、日本における多文化共生の「次の当たり前」をつくっていければ嬉しいですね。
ー本日はありがとうございました。
【パートナー募集】GTNでは、外国人支援をともに推進するパートナー企業を募集しています。

参照:https://www.gtn.co.jp/contact/ct-agency
GTNでは、外国人向け支援サービスをともに広げていくパートナー企業様を募集しています。外国人の受け入れ支援に関わる事業をされている方はもちろん、新たな事業領域として検討されている企業様も、ぜひお気軽にお問い合わせください。
こんな企業様におすすめです
・外国人材の受け入れ支援を行っている人材会社・派遣会社様
・送り出し機関・登録支援機関として活動されている企業様
・日本語学校・専門学校・大学などの留学支援担当者様
・リロケーションサービスや外国人向け不動産事業を展開されている企業様
・外国人ビジネスを新たな事業領域として検討されている法人様
GTN様 パートナー企業様 募集はこちら
https://www.gtn.co.jp/contact/ct-agency
インタビューのまとめ
今回の取材で特に印象的だったのは、GTN社がパートナービジネスを単なる「販売チャネル拡大」として語っていなかった点だ。
GTN社が見ているのは、その先にある「外国人の生活」そのものだった。住まい、通信、生活支援、多言語サポート。単発のサービスではなく、日本で安心して暮らし始めるための体験全体を支えている。そして、その価値をパートナー企業と一緒に届けようとしている。
また、GTN社のパートナービジネスで特徴的なのが、「紹介して終わり」ではないことだ。契約後のサポートまでGTN社が一貫して担うことで、パートナー企業側は安心して提案できる。結果として、利用者満足度も高まり、その満足が次の紹介へとつながっていく。
実際に、元ユーザーが社員として入社したり、利用者が新たなパートナー接点を生んだりと、「共感と紹介の連鎖」が事業成長そのものにつながっていた。
人口減少が進むこれからの日本において、外国人支援は一部の企業だけのテーマではなくなっていくはずだ。その中でGTN社は、「外国人と共に生きる社会をどうつくるか」という視点で、パートナービジネスを広げようとしている。今回のインタビューは、外国人支援領域に取り組む企業にとって、一つの具体的な未来像を示していたように感じた。